
この時期、インフルエンザの感染が気になるところですが、今年はそれに加えてコロナウィルスによる肺炎が大きく報道されています。
感染者や死亡者数が増えていく中で、様々な情報が飛び交い、どうなることかと皆さんも不安になっているのではないでしょうか?
無用な大騒ぎは控えなければなりませんが、ピークは4〜5月頃で収束するのは7月頃ともいわれています。ある程度の期間、パニックを起こさずに、正しい情報を得て、ひとり一人が自分でできることをしっかり行い感染を広げないことが大事なのではないでしょうか。
ワクチンや特効薬はまだ無く、一番大事なのは自分の免疫を高めて感染しにくくする、感染しても発症しないようにすることです。
今回はそんなウィルス感染の基礎知識、予防法についてお話していきましょう!
Contents
ウィルスの侵入経路は?
ウィルスはノドから私たちの身体に入ってきます。
ノドの粘膜にウィルスが付着すると私たちの免疫の細胞(白血球やリンパ球など)が出てきてウィルスと戦います!
戦っている間は、身体がだるくなったりしますが、免疫力が強く自分の免疫細胞が頑張って勝った場合、感染はしても症状がでません(不顕性感染)。しかし自分の免疫細胞がウィルスをとらえきれず、負けてしまうと発症してしまいます。
自分は発症しない不顕性感染でも一度くしゃみをするとウィルス(時速300kmで2億個くらいといわれています)をまき散らしてしまいます。とんだウィルスはしばらくそこで生きていますので、自分からウィルスを飛ばすリスクを少なくするためにもマスクは必要でしょう。
(マスクをしているからといって、ウィルスが完全に飛び散らない、入ってこないわけではありません)
それでは、ウィルスがノドに到達するのに、どこから入ってくるのでしょうか?
そのほとんどが口腔です。
もちろん鼻からも入るのですが、鼻には第一関門の鼻毛があります。そこを突破した空気は上気道を通ってノド(咽頭)に到達します。上気道を通る空気は少しずつそして湿気をおびています。(加湿されています)
また、上気道にはたくさんの免疫組織があり、ウィルスと戦ってくれます。
口腔はどうでしょうか。口から呼吸をすると大量の乾いた空気が一気に直接ノドに入ってきます。粘膜は粘液でおおわれているのが普通です。そしてその粘液には免疫グロブリンというがあり、ウィルスと戦ってくれます。しかし、口呼吸でノドの粘膜が乾いているとその機能も働かず、ウィルスが侵入しやすくなってしまいます。
たとえマスクをしていたとしても、鼻呼吸することが大切です。これを期に鼻呼吸を意識してみましょう!
子供の頃から、口呼吸が楽で習慣になってしまっている場合(鼻呼吸がしにくい)には、顎顔面の発育やかみ合わせ、口周囲の筋力不足などが関係していることがあります。口呼吸は万病のもとです。対処できる場合もありますので、気になる場合は歯科医院に相談してみて下さい。子供の頃に解決できれば、その後のリスクが減らせるのです。
体調管理をしっかり!免疫力を上げよう!
感染症は基本的には自分の免疫力が高ければ発症するリスクは下がります。免疫力を下げないようにすることが大切です。
① 体温を上げましょう
白血球など免疫細胞や体内の酵素が反応し良く働くのには至適温度があります。体温を上げた方が活発に働くのです。
体温はどうすれば上げられますか?
体内の酵素が働き代謝が行われるには十分な水分補給も必要です。体温を上げるために温かい白湯やお茶などを取りましょう。また、心拍数を上げることでも体温が上がります。適度な運動をすることで免疫細胞(白血球やNK細胞など)のめぐりも良くなり、ウィルスをとらえやすくなります。寒いなと思ったら、身体を温めましょう。腰や足首、肩甲骨の間などが効果的です。
つまり、風邪などの感染初期に解熱剤などで熱を無理に下げてしまうことは、免疫力を下げてしまうことになります。
② 良く寝ましょう
睡眠不足になると様々な免疫機能に影響を与えます。
免疫には身体の中に侵入してきた細菌を攻撃したり、異物を感知して貪食して防衛する「細胞性免疫」と補体や抗体で防衛する「液性免疫」があります。睡眠不足はその両者の機能を低下すると言われています。
③ 腸内環境を整えましょう
腸内には身体中の免疫細胞の7割が集結する最大の免疫器官です。 腸内だけの免疫を司っているわけではなく、腸内で訓練を受け、血液に乗って全身各所の病原菌やウィルスを攻撃します。
腸内環境を整えるには過剰な精製糖質や偏りすぎた肉食に気をつけ、食物繊維や発酵食品などの摂取を心がけましょう。
体調の悪いときに無理に食事を取ると、消化しきれずかえって免疫力を低下させることもあるので、食欲のない場合は水分補給を十分にし、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどを含んだ飲料を摂取した方がいいでしょう。
実は口腔内細菌が腸内細菌を変化させたり、全身の慢性炎症を起こすこともわかっています。
よく噛み、口腔内を免疫機能の豊富な唾液で潤し、口腔内環境を整えること腸内環境を整えるのに役立ちます。
④ 太陽を浴びましょう!
1日20分程度、太陽を浴びることで、身体の中でビタミンDが作られます。
ビタミンDは骨を丈夫にすることがよく知られていますが、免疫を維持、調節する働きもあります。
過剰な免疫反応を抑制したり、腸内の適切な免疫抗体産生を促して、インフルエンザや肺炎などの感染症の発症や悪化予防に効果があります。
この時期、ビタミンDを多く含む食べ物を取り入れましょう!
干し椎茸、キクラゲなどキノコ類、シシャモやしらすなど丸ごと食べられる魚、鮭、さば、イワシ脂ののった魚、(特に皮の部分に多く含まれています)、卵黄などに多く含まれています。
⑤ ビタミンCをとりましょう!
免疫細胞(リンパ球など)が働くためにはビタミンCが不可欠です。 ビタミンCは摂取して3~4時間で血中濃度が下がってしまいますので、こまめに摂取することが大切です。
サプリメントを摂取する時、フルーツや野菜などフレッシュなビタミンCと一緒にとると吸収率が上がるといわれていますので、積極的にビタミンCを多く含んだ食材も取り入れましょう!
むやみに人混みに近づかない!
自分の免疫力を高めることが第一ですが、やはり感染の機会を高める人混みには不必要に近づかないことが大切です。不特定多数の人が集まる観光地やコンサートなどは控えた方が賢明でしょう。
物理的にウィルスを除去したり、ノドの加湿をしてウィルスの付着を防ぐ意味でも「手洗い」「うがい」「マスク」という基本的な予防策は重要です。
まとめ
少し長くなってしまいましたが、自分でできるウィルス感染の予防策、いかがだったでしょうか。
感染させない、感染しても発症させないためにも免疫力を高め、体調を整えることが大切です。
そしてウィルスへの感染の機会を減らすために、人混みを避け、ノドを潤しましょう!
次回は免疫力を高める食材やウィルス感染予防ための栄養や食材についてお話していきたいと思います