歯が生えてなくても大切!赤ちゃんのお口の働きを知ろう | 歯と健康のラボラトリー

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歯が生えてなくても大切!赤ちゃんのお口の働きを知ろう

まだ歯が生えてないから、歯医者さんは関係ない!と思っていませか?

確かに虫歯はないのですが、赤ちゃんには赤ちゃんのお口の働きがあるのです。

決してただ小さいだけではないのです。

赤ちゃんのお口の働きはあごの成長のスタートにとても重要で、お顔や鼻にも影響します。

大人になってから悩む前に、知っておくことが大切です。

今回は赤ちゃんのお口の機能ついてお話しましょう。

Contents

赤ちゃんのお口の特徴

赤ちゃんの顔を想像してみて下さい。

赤ちゃんは頭が大きく、顔の下の方が短いですよね。顔の下方は身体の成長とともに長くなっていきます。また、喉と鼻が大人と比べて近くなっています。

大人は飲み込むとき無呼吸になりますが、赤ちゃんは呼吸しながらおっぱいを飲むことができるそうです!

ちゃんとおっぱい(ミルク)飲めてますか?

赤ちゃんが哺乳するのは、もともと備わっている反射によって行われています。

 

まず1段階目は、くちびるの周囲に何かが触れると、その方向に口を開ける反射です。おっぱいを探します!

次の2段階目は、くちびる周囲にものが触れると、くちびると舌でくわえようとする反射です。

3段階目は、口に入ってきた物をくわえて吸う反射です。

そして最後は、口の中に入ってきた液体を飲み込む反射です。

この嚥下は先ほども言ったように、くちびるとあごが開いたままで、口蓋と舌で乳首を支えて飲み込む、おっぱい嚥下(乳児嚥下)で大人嚥下(成熟嚥下)とは違います。

 

このように哺乳動作には、くちびる、舌が重要な働きをしています。

 

この時、舌のスジ(舌小帯)が短く舌が自由に動かないと、乳首をくわえることも、力一杯吸うこともできないため、哺乳がスムーズにできません。

おっぱいをあまり飲まない、すぐ乳首を離してしまうことはありませんか?

そんなことがあるようなら、舌のスジ(舌小帯)を切ることもあります。一度、歯科で診てもらうことをお勧めします。

離乳食はどうするの?

離乳食の目安は哺乳の反射が少なくなってきた頃です。

 

離乳食の最初の頃は、”くちびる食べ”です。

 

上唇はあまり動かず、下唇が上唇に入り込んで、巻き込まれるような動きになります。(んぱんぱ)

そして、舌はまだ吸う動きが残っていて、前後に動きます。

この頃に気をつけたいのが姿勢です。

舌の動きがまだ不十分で、舌で食塊を作って咽頭に送り込むのが難しいため、重力を使って送りやすくしなければなりません。そのため姿勢を少し後ろに傾けて安定させますが、頭が伸展していると誤嚥しやすくなるので、頭は前屈させます。

 

もう少し成長すると、”べろ食べ”になってきます。

 

上唇が閉じるようになり、食べ物を捉えるようになります。

そして舌は上下運動ができるようになります。

また、乳前歯が萌出してきて、食べ物以外のものも口に運んでしゃぶるようになります。

しかし、まだ上唇の使い方も上手ではないので、深いスプーンだと食べにくく、うまく食べられません。無理に押しつけてしまうと、受動的な食べ方になってしまい、上唇の機能が育ちません。

この時期にしっかり上唇を動かして捕食し、お口を閉じて咀嚼することを学習することが重要です。

 

次の段階は”歯肉食べ”です。

 

舌は左右運動ができるようになり、歯肉で押しつぶせるもの(バナナ、肉団子など)を食べる時期です。

さらに前歯で噛みちぎれるようになります。また、手づかみ食べを覚え、食べものとの距離や温度、量、硬さ、力加減を知るようになります。

口、手、目の協同動作で、子供の発達に重要な役割を果たします。

水分はコップから?ストローから?

おっぱい嚥下から成熟嚥下になると口からこぼれたり、むせたりしたすることがあります。

水分摂取の第1歩はスプーンですする量を調節できるようになることです。

次はコップです。コップを少しずつ傾けていきますが、センサー役の上唇を水が越えないように注意します。

そしてストローです。この時の注意はストローが上下前歯を越えないようにすることです。越えてしまうと哺乳時のおっぱい嚥下動作になってしまい、うまく吸えません。

また、無呼吸で行う成熟嚥下もできるようになりません。

鼻呼吸できますか?

もともと赤ちゃんはは鼻呼吸しかできないのですが、成長とともに喃語や離乳食が始まると口呼吸を覚えていきます。

くちびるを閉じる力がないと開口癖や口呼吸が食べるときにも残ってしまい、うまく食べられない原因になっています。

鼻呼吸がうまくできると、お口は閉じやすくなります。

鼻呼吸にはお口を閉じて鼻にティッシュペーパーを近づけて揺れる時間を少しずつ伸ばしていく練習が有効です。

 

また、お口を閉じやすくするためには、くちびるへのマッサージも効果的です。

しかし、いきなりお口を触ると嫌がることもありますので、手足のマッサージから始めて、額や顔へのマッサージ、そしてくちびるのマッサージと徐々に進めていくのがいいでしょう。

まとめ

くちびるや舌の働きが飲むことや食べることにとってとても大切なことがわかっていただけたでしょうか。

食べることはこれからの成長に欠かせません。そして歯やあご、身体の正常な発育はここから始まります。

赤ちゃんの時に、お口の機能形成の第1歩が踏みだせれば、順調な発育にとても有利です。

ミルクをあまり飲まない、食べたがらないなど気になることがあったら、歯科医院で相談してみて下さい。

 

 

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