乳歯から永久歯へ!歯の役割と歯が生え揃う仕組みについて | 歯と健康のラボラトリー

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乳歯から永久歯へ!歯の役割と歯が生え揃う仕組みについて

「虫歯になったら嫌だな」「歯磨きが面倒だな」と感じることもある歯ですが、歯について詳しく考えたことがありますか?

実は食べ物を噛むこと以外に、身体の健康を保つために重要な役割を果たしている歯ですが、一体どのようにして大人の歯である永久歯へと生え変わっていくのでしょうか。

今回はお口の中で起きている歯の発育と、歯の役割について詳しくお伝えしていきたいと思います。

歯の役割を理解し、歯の本当の大切さに気が付くと、お子さまの歯もご自身の歯ももっと大事にケアすることができるのではないでしょうか。

Contents

歯の役割とは

「歯は何のためにあるの?」と聞かれたら、多くの方が「ものを噛むため」と答えるのではないでしょうか。もちろんそれは大正解なのですが、実は歯には多くの役割があるのです。

ものを噛む

ものを噛むというのは、食べ物を噛むことによって飲み込みやすくしつつ、胃や腸などで行われる消化を行いやすくする働きです。あまり行儀が良い物ではありませんが、開きにくいフタを歯で噛んで開けたり、糸を嚙み切ったりするときに歯が役立つこともあります。食べる時とは異なり、歯を”道具”として使うことがあるのです。

また、噛むという行為によって、唾液の分泌を促進したり歯周組織の血流を良くします。噛むことで表情筋を鍛え、表情を豊かにしたり脳を活性化させたりリラックス効果なども期待できます。

歯が無ければ噛むことができないので、歯がとても大切なものだということが良く分かります。

味わう

味覚を感じるのは全て舌のお陰と考えている方も多いでしょう。しかし、実は歯ごたえや歯ざわりも美味しさを感じるために欠かす事の出来ない感覚なので、歯も味覚を感じる助けをしてくれていると言えます。

また、万が一砂や石などの硬いものを誤って口の中に入れてしまったとしても、食感で食べられるものか食べられないものかを判断することができるため、体内に異物が侵入するのを防ぐ役割も果たしています。

発音

歯は唇や舌と同じように、発音を助ける役割を果たしています。例えば前歯に大きな隙間があったり、出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)、開咬(前歯が上手くかみ合わない状態)のように歯並びに問題がある場合は正確な発音をすることができません。

入れ歯を外すとうまく喋ることができないシーンを見たことがある方も多いかと思いますが、発音と歯の関係を良く表しているシーンだと言えます。

力を出しバランスを維持する

歯を噛みしめることによって首の骨や周りの筋肉で頭部を固定し、更に強い力を出すことができます。筋力や瞬発力と深い関わりがありので、スポーツをしているときなどに非常に役立っています。

また、背筋や腹筋など姿勢を保つために必要な筋肉に適度な緊張を与えることによってバランスを維持することができます。

歯を食いしばることが多いスポーツ選手などは、歯が悪くなりやすいのでケアを念入りに行っています。

美しく見せる

歯が美しく生え揃っていることで、笑顔の魅力が増し清潔感のある印象を与えます。歯があるのとないのでは大違いで、見た目の美しさを保つのに大きな役割を果たしています。

このように噛むこと以外にも歯は沢山の役割を果たしています。いつまでもご自身の歯でいられるよう大切にしましょう。

次に歯が生える仕組みをお伝えします。

子どもの歯「乳歯」

赤ちゃんの歯ができ始めるのは妊娠6週~8週頃です。生まれたときには歯茎の下で歯が育っており、生後6か月を過ぎた頃から前歯の乳歯が生え始めます。

乳歯は全部で20本です。乳歯が生えることによってものを噛むことができるようになり、顔の形も整っていきます。乳歯はお子さまが自分自身で食べる力を付ける役割を担っています。

生え始める時期には個人差がありますが、下の前歯、上の前歯の順に生えその後奥歯にかけて順番に2年ほどかけて生え揃っていきます。

生えたばかりの乳歯はエナメル質が未完成なため虫歯の進行が早く、この時期に虫歯や歯並びの問題は次に生えてくる永久歯に影響します。親御さんが磨き残しのないように歯磨きを徹底することと、歯科医院での定期検診を心がけましょう。

生え変わりの仕組み

個人差はありますが、一般的に6歳前後から6~7年かけて乳歯から永久歯へと生え変わっていきます。

  1. 乳歯が生え揃う2~3歳前後には、乳歯の下で永久歯が成長しています。
  2. 永久歯の根が作られ始めると、乳歯の歯の根が少しずつ溶かされていきます。
  3. 乳歯の根が溶けて無くなると、乳歯が抜け落ち永久歯に生え変わります。

大人の歯「永久歯」

永久歯は親知らずを含めて全部で32本あり、形状によって3種類に分けられます。

  1. 食べ物を噛み切る切歯
  2. 食べ物を切り裂く犬歯
  3. 食べ物をすり潰す臼歯

奥歯にある第一大臼歯は、永久歯の中で最も大きな歯で、噛む力も最も強く噛み合わせの基本となる大切な歯です。それと同時に虫歯になりやすい歯でもあります。

奥にあるため歯磨きが難しく、噛み合わせの溝がふく雑なため磨きにくい歯です。第一大臼歯が生えてきた際にも虫歯予防を徹底することが重要です。

乳歯と永久歯の違い

赤ちゃんから子ども、子どもから大人に成長するに連れてあごも成長して大きくなります。乳歯から永久歯に生え変わると噛む力も当然強くなります。

  • 乳歯は白に近く、永久歯は黄色みを帯びています。
  • 乳歯は全般的に永久歯よりも小さい歯です。
  • 乳歯の方がエナメル質・象牙質ともに薄いため永久歯よりも虫歯の進行が早くなります。

最後に

お子さまの歯が生え始めた頃から永久歯が生え揃うまで、親御さんがしっかりと見守ってあげることが大切です。

小さな子どもが虫歯にならないように、歯磨きを一人で完璧にこなすのは難しいでしょう。大人でも磨き残しがあるくらいですから、しっかりと歯磨きができているかチェックし、定期的に歯科医院で検査をしましょう。

お子さまの歯の成長過程で、前歯が正常に噛み合っているかどうかなど、歯並びや嚙み合わせのことで異常や疑問に思うことがあればなるべく早めに歯科医院に相談しましょう、

乳歯にできてしまった虫歯を放置すれば、永久歯にうつります。永久歯の虫歯予防のための乳歯の治療も大切なので、今一度親子で歯の健康状態を確認してみてはいかがでしょうか。

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