生え始めの歯について知っておきたい大切なこと | 歯と健康のラボラトリー

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生え始めの歯について知っておきたい大切なこと

赤ちゃんの口の中に白くて小さな乳歯を見つけると、お子さまの成長を実感することでしょう。

実は歯の生え始めの時期というのは、虫歯になりやすい時期でもあるため細心の注意を払ってケアしなくてはならない重要な時期なのです。

お子さまの歯に関する親御さんの関心や意識が、子どもの健康に大きく関係しています。特に乳幼児の生活習慣は学童期や思春期へと継続していきますので大変重要な時期です。

今回は赤ちゃんの歯が生え始めたときに知っておきたい大切なことをご紹介します。お子さまの健康を左右する大切なを守るためにも是非参考にして頂ければと思います。

Contents

生え始めの歯の特徴

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中は無菌状態ですが、ミルクの温度を確かめようとお母さんが口にした哺乳瓶などを赤ちゃんが咥えてしまうと・・・お母さんの口の中に虫歯菌があれば赤ちゃんの口へと感染してしまう危険性があります。

知らないうちに子どもの歯の健康を脅かすことにならないように、赤ちゃんの歯が生え始める時期の歯の特徴を知っておきましょう。

歯が生え始めるサイン

生後3ヶ月~9ヶ月頃の赤ちゃんのよだれが急に増えたと感じたら、それは歯が生え始めるサインです。

母乳だけでなく離乳食を摂取する準備に入る時期ですが、まだ口を閉じて唾液を飲み込む機能が発達していないため、よだれを垂らしてしまいます。

また、歯が生え始める時期は歯茎に痛みがあったりむず痒い感じがするらしく、赤ちゃんにとっては初めての経験でもあるため、何が何だか分からずぐずったり泣いたりしてしまいます。夜泣きが増えることもありますが、歯が生えかけている時期特有の”歯ぐずり”と呼ばれるものです。

おもちゃやタオルなどをしきりに噛むようになったり、手を口に入れて掻くような仕草をしていれば歯が生えるというサインでしょう。

生え始めは前歯から

赤ちゃんの歯は、生後3ヶ月~9ヶ月くらいに生え始めます。生え始めの時期にはかなり個人差がありますので、多少前後しても心配する必要はありません。

生え始めの時期には個人差がありますが、生えるのが早い子でも遅い子でも前歯から生えるという点では共通しています。

一般的には下の前歯から生え始めることが多いのですが、上の前歯から生え始めるケースもあります。

いきなり奥歯から生え始めることはほぼなく、前歯から奥歯へと順番に生えていきます。そして奥歯まで生え揃うまでにはおよそ2年程かかるのが一般的です。

乳歯の成長が体の成長に影響する

赤ちゃんの身体は成長が著しく、身体が大きくなり運動機能が発達するのはもちろんのこと、自分で何でもやりたいという心の成長も見られます。

そういった成長を母乳だけで支えていくことは難しくなるため、生え始めた歯を健康に保ちながら離乳食でしっかりと栄養を摂らなくてはなりません。

せっかく生えた乳歯に何らかのトラブルが出てしまえば十分な栄養の摂取ができず、身体の成長にも悪影響が出てしまうことになります。

乳歯の健康状態は後に生えてくることになる永久歯にも深く関係しています。乳歯の時点でひどい虫歯になってしまえば、永久歯の質が悪くなり歯並びや形に悪影響が出るので発音にも不備が出てしまう可能性があります。

赤ちゃんの頃の歯の健康は、生涯口内を健康を保つことができるかどうか、健全な身体へと成長していくことができるかということに深く関わっているのです。

自宅での乳歯のケア法

赤ちゃんの全身の健康を守るためには、生え始めの歯のケアをしっかりと行う必要があります。赤ちゃんの成長段階に応じて適切なケアの方法が異なりますので注意しましょう。

生後10ヶ月前後まで

1~4本ほど乳歯が生えている時期です。この時期の赤ちゃんの主食は母乳です。そのため清潔なガーゼや滅菌シートで拭き取る程度で十分です。

母乳ではなく粉ミルクを飲ませているという場合は、乳糖以外の糖分が含まれている可能性があるので虫歯になりやすい可能性があります。粉ミルクを飲ませている場合は念入りに拭き取るようにしましょう。

生後10ヶ月以降

生後10ヶ月を過ぎた頃からは、母乳だけでなく離乳食を口にすることが格段に多くなります。赤ちゃん専用の歯ブラシを使用し、丁寧に磨いてあげましょう。

始めは口の中に歯ブラシを入れるのを嫌がる赤ちゃんが多いですが、次第に慣らしていくことが大切です。

乳歯が生え揃った頃(2歳頃)

乳歯が生え揃った2歳頃は、赤ちゃん用の歯ブラシから子ども用の歯ブラシに切り替えます。子ども用の歯みがき粉や歯磨きジェルがありますので、歯ブラシと合わせて使用しましょう。

乳歯が生え揃っても、お子さまが自分で磨き残しが無いように歯を磨くのは困難です。必ず親御さんが磨き残しのないように磨いて仕上げましょう。

乳歯のケアの注意点

きれいに磨いたつもりでも、虫歯になってしまうことがあります。それは歯と歯の間を磨くのが難しく、磨き残しがあるからです。

歯の隙間はどうしても細菌が溜まりやすいものです。歯科医院やドラッグストアでも販売されていて手軽に手に入れることができる子ども用のデンタルフロスは、歯の隙間に残りやすい細菌をきれいにする手助けをしてくれるアイテムです。

歯ブラシだけでなくデンタルフロスを併用すると安心ですね。

親から子に菌をうつさないために

虫歯の原因となる菌は人から人へとうつります。親子のスキンシップが安全であるためにも、親御さんの口腔ケアが非常に大切です。

ご自身に虫歯や歯周病があるかも知れないと感じている方は、子どもの歯を守るためにも歯科医院で診察を受け、適切な処置をしてもらいましょう。

離乳食を親御さんが噛んでから与えるという風習がありましたが、唾液を介して菌がうつりますので絶対にやめましょう。

最後に

乳歯はとてもデリケートです。虫歯にならないよう健康な状態を保つのは親御さんにとって大変な事かも知れませんが、お子さまの一生に関わる非常に重要なことです。

乳歯の健康状態が永久歯だけでなく、生涯の健康を保つことに繋がります。

お子さまの歯の成長のことで何か不安なことがあれば、なるべく早いうちに歯科医院に相談することをおすすめします。

 

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