お腹の赤ちゃんのために気を付けたい妊娠中の栄養 | 歯と健康のラボラトリー

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お腹の赤ちゃんのために気を付けたい妊娠中の栄養

妊娠が発覚してからは自分一人だけの身体ではなくなった以上、産まれてくる大切な赤ちゃんのために毎日の食事にもすごく気を遣いますよね。自分自身が食べた物がそのまま赤ちゃんの発育にも影響してしまうので、必要な栄養が不足してしまえば胎児の未発達に繋がり、低体重や先天性の異常にも繋がります。

自分自身の体調管理をするためというのはもちろんのことですが、赤ちゃんの成長のためにも栄養の知識は必要不可欠です。

今回は妊娠中にはどのようなことに気を付け、どのような栄養素をしっかりと摂る必要があるのかをご紹介します。

日頃の食生活ではどうしても不足しやすい栄養素もありますので、「妊娠する前と同じで大丈夫なのかな・・・」「どのようなことに気を付ければ良いのか分からない」とお悩みのプレママさんも、妊活中の方も是非参考になさって下さい。

Contents

妊娠中に必要な栄養とは

妊娠中には必要な栄養素をしっかりと摂取して、お腹の中の赤ちゃんの健康な成長に役立てたいですよね。昔から「妊娠中は2人分食べよう」と言われていますが、過剰に食べ過ぎてしまうのも肥満に繋がり、赤ちゃんの健康にもママさんの健康にとっても良くありません。

栄養の過剰摂取や栄養バランスの偏りに注意し、さまざまな栄養を摂る必要がありますが、女性に不足しやすく妊娠中には特に摂取したい栄養素があります。

葉酸

葉酸は妊娠中のママさんにとってとても大切な栄養素の一つです。妊娠したら葉酸が必要ということは多くの方が耳にしたことがあるでしょう。

葉酸はブロッコリーなどの緑黄色野菜に豊富に含まれている水溶性ビタミンB群の一つです。葉酸は細胞の生成に重要な役割を果たしているため、赤ちゃんの成長が著しい妊娠初期には特に摂取したい栄養素です。

葉酸が不足してしまうと、赤ちゃんの脊椎や脳などの発達障害である神経管閉鎖障害という先天性異常を発症してしまうリスクが高くなってしまいます。

厚生労働省が妊娠している女性に推奨している摂取量は1日400μg以上で、妊娠していない時期の2倍の推奨量となっています。

カルシウム

カルシウムは骨の生成などに欠かすことのできない栄養素です。

妊娠中には赤ちゃんの骨や歯などを作るために大量のカルシウムが必要になります。妊娠中には腸管からのカルシウムの吸収率が上がるため、必要量を摂取することができていれば特別多くカルシウムを摂取する必要はありません。

基本的には母体からもらったカルシウムを使うのですが、カルシウムの摂取量が不足してしまうと母体の歯や骨などに蓄積されているカルシウムを補うことになります。するとママさんの骨や歯が脆くなってしまい、骨粗鬆症になるリスクが高まってしまいます。

妊娠中に必要とされている1日のカルシウム摂取量は900㎎で、上限は2500㎎となっています。

カルシウム不足になると血行にも影響が出て高血圧を引き起こす可能性があります。

また、カルシウムには神経の興奮を抑え精神安定の作用があるため、情緒不安定になりやすい妊娠中にはしっかりとカルシウムを摂りましょう。

赤血球の中に含まれるヘモグロビンという成分を生成するために必要不可欠な栄養素が鉄分です。血液は赤ちゃんに酸素や栄養を供給するという非常に重要な役割を果たしています。

もちろん酸素や栄養が十分に赤ちゃんに供給されなければ発育に大きな悪影響を及ぼすことになります。

鉄分不足に陥ると貧血やめまい、息切れや身体のだるさなどさまざま症状がママさんにも現れます。特に妊娠前から貧血気味だった方は注意が必要です。妊娠中には血液の量が急増し薄まりやすい状態になるため貧血の症状が出やすくなります。

妊娠中は1日に20mg摂取するように意識しましょう。

タンパク質

赤ちゃんの血液や筋肉を作るのがタンパク質です。身体を作る主成分ですので健康な身体作りの基礎となります。

日常生活で十分なタンパク質を摂取することができる現代では、タンパク質を摂取する際は、量ではなく、質を意識しましょう。

肉や魚、卵、大豆食品などをバランスよく偏りが無いように摂取することを心がけてください。

亜鉛

亜鉛は赤ちゃんのタンパク質の合成や中枢神経の発達に重要な役割を果たしています。亜鉛は私たち人間の体内で生成することができない栄養素であるため、食べ物から摂取するしか方法がありません。

亜鉛が不足してしまうと亜鉛が不足していない妊婦さんに比べて10倍近い確率で未熟児になってしまうという報告があります。最悪の場合早産や流産などのリスクも考えられるため、適量をしっかりと摂取しましょう。

妊娠中には1日の摂取量は11n㎎、上限30㎎が目安となります。

良い栄養素ではありますが過剰に摂取してしまうと副作用の危険があるため必ず適量にしましょう。

つわりでどうしても食べられない時は?

妊娠初期に現れるつわりとは、妊婦さんの半数以上が経験すると言われている胃の辺りの不快感によって吐気を感じる症状です。においに敏感になる「においつわり」や空腹になることで気持ちが悪くなってしまう「食べつわり」などがあります。嘔吐を繰り返すと脱水症状になることがあるため、水分はきちんと取るように心がけましょう。

つわりの影響で食欲不振や嗜好の変化などの症状が起こるので、脂質や炭水化物などの摂取量がかなり減少してしまうこともあります。通常時より多く摂取する必要が無い脂質や炭水化物も、必要量は摂取したいものです。

精製された炭水化物(砂糖、小麦粉、白米など)は血糖値を急上昇させやすく、体や心に負担をかけやすいため、血糖値を穏やかに上昇させる低GI値の食品を選ぶよう心がけましょう。

このようにつわりで食欲がわかないという時には、1度に摂取する量は少なくし、食べたくなったときにこまめに摂取するという方法でも構いません。つわりには個人差があるので、どうしても食べられないほどひどい状態の時には、落ち着いたタイミングで妊婦用粉ミルクなどを活用しましょう。

まとめ

妊娠中には妊娠前と全く同じという訳には行かず、アルコール・喫煙・生ものはNGですし、カフェインの摂取量などにも制限があります。妊娠中のママさんだけでなく、お腹の赤ちゃんの健康を考える上でも今一度栄養に関してしっかりと把握しておきましょう。

妊娠中でなくても摂取するのが望ましい栄養素ばかりですが、妊娠中には特に葉酸・カルシウム・鉄分・亜鉛などが必要不可欠でバランスよく摂取することが大切です。

他にも妊娠に必要な栄養素は沢山ありますが、バランス良く積極的に摂るようにし、体調を整えながら栄養をたっぷりと赤ちゃんに届けてあげましょう。

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