
現代人が注意したい病気のひとつ、糖尿病。
そんな糖尿病は、実は歯と深い関係があるのです。糖尿病を患っている方は、歯周病になりやすいということがわかっています。また、歯周病になると血糖コントロールが悪くなる場合もあるのです。
ここでは、糖尿病にならないために注意したい食生活についてご紹介します。栄養バランスの取れた食生活を心がけて、健康的な体を手に入れましょう。
Contents
歯周病と糖尿病の関係
まずは、自分の口の中をチェックしましょう。以下のようなトラブルを抱えてはいませんか?
- 歯磨きの際に出血する
- 朝起きた時に歯肉に違和感がある
- 体調が悪くなると歯肉が腫れる
- 歯の揺れを感じる
- 口臭を指摘されたことがある
- 歯肉が下がり、歯が長く見えるようになっている
歯周病には、炎症が歯茎に限局した歯肉炎と、歯を支えている歯槽骨が破壊され、歯を失う歯周炎があります。上記の症状に多数あてはまると、歯周炎の可能性が高くなります。
この歯周病は、糖尿病と相互に悪い影響を及ぼしてしまいます。糖尿病を患っている方は歯周病が悪化しやすく、歯周病がある方は糖尿病の血糖コントロールに悪影響を与えてしまうのです。また、研究では歯周病の治療をしっかり行うと、血糖値が改善するということがわかっています。
糖尿病を防ぐために注意したい食生活
それでは、糖尿病を防ぐためにはどんなことを意識すれば良いのでしょうか。ここからは、毎日の食生活で気をつけたいことをご紹介します。
食べ方のポイント
食生活で気をつけたいのは、ゆっくり噛んで食べることです。ゆっくりよく噛むことで、食べ過ぎを防ぐことができます。また、よく噛むとインスリンの適切な分泌を促進するGLP-1というホルモンを増やしてくれるのです。
糖尿病を防ぐには、食べる順番も大切です。最初から糖質がたっぷり含まれた主食から食べるのではなく、野菜や海藻から食べ始めるベジタブルファーストがおすすめです。ベジタブルファーストだと、野菜などに多く含まれる食物繊維の働きによって、あとから食べる主食の糖質がゆっくりと吸収されていくのです。
おなじものを食べるにしても、食べる順番を意識することによって血糖値の動きは大きく変わります。
糖質の選び方
糖尿病を予防するには、糖質の選び方に気をつけましょう。白いご飯や白いパン、うどんのような白い精製した糖質より、玄米ご飯や雑穀ご飯、全粒粉のパン、お蕎麦などの精製していない糖質(ホールフード)のほうがおすすめです。このような糖質は、食物繊維が多く、体にゆっくりと吸収されていくのです。
そして、気をつけたいのは糖質を減らした分、脂質が増えてしまうことです。
クッキーや揚げ物に多いトランス脂肪酸は、動脈硬化を進行させて心臓病のリスクを高める可能性があります。
おすすめなのは魚の油です。魚の油には、インスリンの働きを良くするアディポネクチンというホルモンを増加させる作用や、血液を固まりにくくさせる作用があるのです。
タンパク質をきちんと摂取し、揚げ物を控えることが大切です。
緑黄色野菜をとる
緑黄色野菜の摂取量を増やすと、糖尿病のリスクを減らすことができると言われています。厚生労働省によると、1日の野菜の摂取量の目安は350g以上、そして緑黄色野菜は120g以上を目標としています。
緑黄色野菜はマグネシウムや抗酸化物質がたくさん含まれているので、糖尿病のリスクを減らすことができるのです。
腹八分目にする
食べ過ぎがくせになると、余分なブドウ糖が作られて糖尿病を引き起こしやすくしてしまいます。いつもお腹いっぱいにならないと満足できない人は要注意です。
特に、脂肪分が多く含まれた肉類の食べ過ぎはカロリーの摂りすぎにつながってしまいます。
また、外食の際は揚げ物や丼ものより、魚や野菜のたっぷりの定食を選ぶようにしましょう。
アルコールはほとほどに
アルコールには、インスリンの働きを一時的に改善する効果があります。そのため、適度のアルコールは糖尿病予防にもつながります。
しかし、アルコールを長時間摂取するとインスリンの分泌量を低下させてしまうのです。そのため、アルコールの摂りすぎには気をつけましょう。
間食をしない
だらだら間食をすると、体内では血糖値の高い状態が続いてしまい、インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかってしまいます。また、その状態のまま次の食事をしてしまうと、食後高血糖の原因にもつながるのです。
血糖値を上手にコントロールするためには、できるだけ間食しないことが大切です。特に、炭酸ジュースやケーキなどの甘いものや果物は、血糖値を上昇させてしまうのでほどほどにしましょう。
体を動かすことも重要!
糖尿病を防ぐためには、食生活に気をつけるほか、運動して体を動かすことも大切です。普段あまり体を動かしていない方は、少しずつでも運動する習慣を身につけましょう。
運動には次のような効果があります。
血液中のブドウ糖を消費する
運動すると食べ過ぎなどで余ったブドウ糖を消費することができるのです。
脂肪細胞を小さくしてインスリンの働きを助ける
運動を続けていると、脂肪細胞が徐々に小さくなり、インスリンの働きを妨げる物質を減少させることができます。
インスリンの働きを良くする
運動にはブドウ糖を直接細胞に取り込む作用があり、膵臓を休ませてインスリンの働きを良くしてくれます。
基礎代謝エネルギーの量を上げる
運動によって筋肉の量が増加すると、基礎代謝量がアップして体全体のエネルギー消費量が増えるのです。
食生活を改善して健康な体を手に入れよう
いかがでしたか?
糖尿病を予防する食生活はしっかり理解できましたか?
一見関係のなさそうな糖尿病と歯ですが、密接なかかわりがあるのです。
糖尿病を予防する食生活を心がけて、健康的な体を手に入れましょう。特に、野菜を先に食べるベジタブルファーストは、血糖値の動きを改善するだけではなく、野菜でお腹いっぱいになることで次に食べる主食などの量を減らすことができるのです。ぜひ、今日からでもベジタブルファーストを心がけてみてくださいね。