
小さなお子さまは自分自身の意志で”今日何を食べるか”ということを決めることはできません。周囲の大人から与えられたものを食べ、周囲の大人の考えの影響を受けて成長していきますので、身体に良い物かどうかを自分自身では考えていないのです。
しかし私たち人間の全身は全て食べた物によって構成されています。何を食べるかどうかということは、健康状態を左右し、思考や能力にも関係しています。だからこそまだ幼いお子さまの将来を大人が考え、子どもに何を与え、どのような食習慣を身に付けさせるのかが非常に重要になってきます。
子どもの頃に身に付いた食習慣は、良くも悪くも一生ものです。大切なお子さまの健やかな成長を守るためにも、早い段階から正しい食習慣が身に付くように見守ってあげましょう。
今回は小さな頃から身に付けておきたい食習慣についてお伝えします。健康を左右することにもなりますので、今一度しっかりと確認しておきましょう。
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健全な食習慣の重要性
現代では子どもの食生活の乱れが社会問題となっています。食生活を含んだ生活環境の変化などの影響で、以前には中高年に診られた生活習慣病すらも、乳児期~学童期などの小児期にも見られるようになっているのです。
幼少期頃の小さなお子さまの成長は目まぐるしく、精神面だけでなく身体も大きくなっていきます。この時期のお子さまの心身の発達のためには、毎日の食事の中で必要な栄養素を適切に取り入れることが重要です。
食習慣が身につくのは幼少期頃ですが、この時期に身についた食習慣は将来の食習慣にも影響を与える可能性があります。小さな頃に一緒に食事をしている家族の考え方に影響されるため、特に小さな頃にこそバランス良く食べることの重要性など、食に関する正しい習慣を身に付けることが非常に重要なのです。
子どもの健康を考える上で、好き嫌いなく、食に対する好奇心を損ねないように正しい食習慣を身に付けさせましょう。
1日3食
近年朝ごはんを抜いている方も増えているようですが、大人であればライフスタイルやそれぞれの体調に合わせて、食事の回数を少なくしてもいいと思うのですが、一番成長の著しい子どもたちは朝食を抜くと身体の一部を壊して栄養を補ったり、脳の機能低下を起こして、いつも疲れていたり、頭が働かなくなったりします。朝食はタンパク質が中心でビタミン、ミネラルが豊富なものをしっかり食べるようにしましょう。
そもそも1度の食事で1日に必要な分の栄養を全て体内に吸収することはできません。これから脳も身体もすくすくと成長していく大切な時期に1日3食バランス良く食べる週間を身に付けることは、生活リズムを作ることにも繋がり空腹を減らすことにも繋がります。
元気が出る生活リズムを子どもの頃から身に付けることで1日を活発に過ごすことができるので、1日3食というリズムを作ってあげましょう。
一緒に食事をする
家族みんなで楽しく食べることを体験することができているお子さまは食事の時間が好きになりますし、今後学校での給食や友人との食事の際にもスムーズにコミュニケーションを取れるようになります。
赤ちゃんの場合には一人でご飯を食べるということはまずないとは思いますが、小学生のお子さまで共働きのご家庭などの場合、お子さまが一人で食事を食べることがあるでしょう。
一人で食べる環境に慣れてしまうと、テレビを観たりゲームをしながら食事をするなど、”ながら食い”などが当たり前になりお行儀も悪くなってしまう可能性があります。また、食事の時間が「楽しい時間」ではなく「寂しい・つまらない時間」という認識へと変化してしまうのです。
ご両親が忙しくて難しい場合もあるかもしれませんが、毎日ではなくてもなるべく一人でご飯を食べることが無いように意識してあげましょう。
良く噛んでゆっくり食べる
しっかりと噛むことができないと顎の骨や筋肉が発達しなくなってしまい、歯並びが悪くなる原因になります。あまり噛まずに飲み込むクセがついていると、唾液の分泌量が減るので虫歯になりやすい状態になりますし、消化器官にも負担が掛かります。
また、食べ物が胃の中に入り脳が満腹感を感じるまでには少し時間がかかります。早食いの習慣が身についてしまうと満腹感を感じる前に食べ物を更に食べてしまう可能性がありますので、肥満の原因になります。
ゆっくりと時間を掛けて食事をし、1口につき30回噛むように心がけましょう。
よく噛むことで、食中毒などのリスクも減ると言われています。また、食事中にお水やお茶など飲み物が一緒にあると、ついつい飲んで流し込んでしまう癖がついてしまったり、胃液が薄まったりして消化が悪くなったりするので、食事中には置かないようにしましょう。
コンビニ飯やジャンクフードは控える
毎日の食事の味付けが、その子の好みになるといっても過言ではありません。コンビニのご飯やジャンクフードなどの濃い味付けになれてしまうと、薄めの味付けには満足できなくなってしまうので、頻繁に利用している場合には注意が必要です。
またジャンクフードなどを頻繁に食べていると、ジャンクフードに含まれる添加物に大切なミネラルなどがくっついて、排出されてしまうこともあり、ビタミンやカルシウム、鉄、マグネシウムなどの必要な栄養素が不足してしまいます。
お子さまの味覚を作るためにも、栄養バランスを考える意味でも親御さんが味付けをした野菜たっぷりの手料理を食べる習慣を身に付けさせましょう。
スナック菓子・清涼飲料水は控える
ジュースには思っている以上の糖分が含まれていますので、のどが渇いた時にはお水やお茶を飲むようにしましょう。また、スナック菓子は高カロリーですが栄養がほとんど入っていません。肥満の原因にもなりますので欲しがるままに与えないようにしましょう。
好き嫌いを少しずつ直す
好き嫌いがあると栄養が偏ってしまう可能性があります。
小さな頃に無理に好き嫌いをなくそうとすると、嫌な記憶として根付いてしまうので注意が必要ですが、料理に少しだけ混ぜてみたり、味付けを工夫するなどして徐々に嫌いなものをなくしていくようにしましょう。
嫌いなものは食べないままでいいという習慣が身についてしまうと、偏食に繋がりますのでお子さまの性格や嫌いなものを考慮しつつ嫌いなものを少しずつなくしてあげましょう。
まとめ
今回は幼少期のお子さまをお持ちの親御さんに向けてお伝えしました。しかし健全な食習慣は大人になってからでも身につけることができますので、ご自身の食習慣を見直してみて下さい。
小さな頃からの健全な食習慣は、心身の発達に非常に重要なだけでなく成人した後の健康にも大きく関係しています。幼いうちから正しい食習慣が身についていれば、学習面だけでなく人生そのものに大きな影響を与えることでしょう。
正しい食を通して心身を健やかに成長させ、健康に元気に毎日を送ることができるように家族みんなで見直してみましょう。