みなさんは「抗酸化」という言葉を聞いたことがありますか?抗酸化はアンチエイジングに興味のある世代の方にとって非常に関わりの深い言葉です。
そもそも、老化するということは「身体が酸化し、錆び付いてしまうこと」です。この錆びというのは具体的に、全身の細胞から発生する活性酸素が身体を酸化させてしまうということになります。
つまり身体が酸化するのを防ぐためには、この活性酸素の発生を抑える必要があるということです。そして活性酸素の発生を抑えることができれば、老化を食い止めることも可能になるということなのです。
今回は抗酸化と老化について、抗酸化を促進する栄養素や食品についてお伝え致します。体の中から老化を防ぎたいという方は、是非参考になさってください。
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老化と活性酸素の深い関わり
抗酸化について理解するためには、まずは活性酸素のことを理解しなければなりません。
私たちが生きていくためは酸素が必要不可欠なのですが、体に取り込んだ酸素の一部は他の分子と結びつき、高い酸化力を持つ活性酸素へと変化していきます。この活性酸素は酸素分子が他の分子と結びついたり、電子だけを奪ってできる化合物です。
私たちの身体は加齢とともに老化しますが、老化は活性酸素によって身体が金属のように錆付いていくということなのです。錆びる、つまり酸化するのは活性酸素の仕業なのです。
私たち人間の身体の中で絶えず作られている活性酸素ですが、蓄積されてしまうと単に老化を引き起こすだけでなく、がん細胞の発生や心臓病や脳素中などの生活習慣の原因にもなるとも言われています。その他にも人間に及ぼす弊害は200種類にもなるのです。
タバコ、お酒、食生活の乱れ、環境汚染、紫外線の増加など外部からのさまざまな刺激を受けることで、活性酸素が一気に増加して、ガンなどの原因となります。
例えば、夏は紫外線によって肌荒れを起こすことがありますが、これは活性酸素の仕業です。紫外線が当たった場所に活性酸素が発生して、肌を酸化させます。そして、シミやシワ、肌荒れ、くすみになるわけです。
抗酸化とは
酸化を抑えることを「抗酸化」と言います。つまり、活性酸素を取り除き、さまざまな身体の機能が低下しないように助け、老化や生活習慣病を予防することでもあるのです。
もともと体内では活性酸素の働きを抑制する「抗酸化力」が備わっています。しかし活性酸素を増やす要因は紫外線や放射線、ストレスや喫煙、農薬の影響などさまざまなものがあるため、日常的に抗酸化力のある食べ物から補うことが必要なのです。
活性酸素から体を守るためにも、外から活性酸素を抑える力を借りなければなりません。それには、活性酸素を抑える=抗酸化作用がある野菜や果物を積極的に摂る必要があります。
抗酸化作用のある栄養素「ビタミン」
美容と健康に欠かす事のできないビタミン。ビタミンと一口に言ってもさまざまな種類がありますが、具体的にはどのようなビタミンが良いのかご紹介致します。
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用のある栄養素の一つです。体内にある活性酸素を捕まえて、無害化する働きがあります。
ビタミンEと一緒に摂取すると相乗効果があり、さらに抗酸化作用を発揮します。ビタミンEと同様のメラニン色素の沈着を防ぐ効果やコラーゲンの生成を促進する働きがあり、ストレスを和らげる効果もあります。
ビタミンE
ビタミンEは若返りビタミンと呼ばれるほど、活性酸素の増加を防ぐ強い抗酸化力を持っている栄養素です。細胞膜や角膜の中に存在しています。
細胞膜や角膜は主に不飽和脂肪酸によって構成されていますが、活性酸素の影響を受けることによって過酸化脂質へと変えられてしまいます。しかしビタミンEの働きにより、酸化の連鎖を断ち切ることができるのです。
また、ビタミンEはメラニン色素の発生を防いでくれるので、美白効果やシミ対策効果も期待できます。更に毛細血管を広げるため、血流を改善して美肌へと導いてくれます。
抗酸化作用のある栄養素「アスタキサチン」
アスタキサンチンは自然界に広く分布している天然の赤い色素で、サケ・カニ・エビなどに多く含まれているカロチノイドの一種です。
人参のβ‐カロテンなどのカロテノイドやトマトのリコピンは活性酸素を消去する「抗酸化作用」をもつ成分として最近注目されていますが、中でも強力なパワーを持っているアスタキサンチンは今最も注目の成分となっています。
動物は自らアスタキサンチンを作り出すことができません。アスタキサンチンを作り出す海の藻類を動物プランクトンが食べ、さアにエビ、魚類など食物連鎖によってさまざまな体内に取り込まれています。そのためアスタキサンチンは植物由来のカロテノイドなのです。
サケはもともと白身の魚ですが、アスタキサンチンを筋肉中に沢山溜め込んでいるために、いわゆるサーモンピンクになっています。
産卵のために川を遡るサケは、たくさんの酸素を取り込むので体内で絶えず活性酸素が発生し、筋肉に大きな負担がかかります。その活性酸素を消去するために筋肉中にたくさんのアスタキサンチンを備えていると考えられているのです。
抗酸化力は、カロテンの40倍、ビタミンEの100~1000倍といわれており、食品由来の抗酸化物質で最高レベルです。アスタキサンチンは脂溶性なので、揚げ物など油を使った調理法でさらに吸収が良くなります。
生物が抗酸化などの生存のための戦略として利用しているアスタキサンチンは、私たち人間にとっても老化防止に役立つのです。
抗酸化作用の強い食品
- トマト
- カカオ
- 大豆
- リンゴ
- ほうれん草
- ニンジン
- レモン
- ナッツ類
- アボカド
- 牡蠣
- にんにく
- 生姜
- しそ
- ブロッコリー
- カリフラワー
- ブロッコリースプラウト
- キャベツ
抗酸化物質のほとんどは、日ごろから食べている野菜や果物に含まれています。つまり常日頃から、好き嫌いなく、バランス良く積極的に野菜や果物を食べていれば不足することはないはずです。
しかし、一人暮らしの方や外食が多い方などは野菜不足になりやすい傾向にあります。また、高カロリー・高脂肪な肉食中心の欧米型の食事は、体が酸化しやすいため、活性酸素の攻撃を受けやすいと考えられます。
バランスの良い食事を心がけ、老化を防ぎましょう。
まとめ
体内で作られる抗酸化物質を補助するために、外からも抗酸化物質を取り入れていくことで、老化を防ぎながら暮らすことができ、健康寿命を延ばすことができます。
美容面でも健康面でもアンチエイジングの敵である活性酸素を作り出す要素となる喫煙・紫外線・脂肪の過剰摂取・飲酒・ストレスなどを減らし、なるべく控えるということも考えてみてはいかがでしょうか。
長生きするためにも美しい状態を保つためにも、抗酸化作用のある食品や栄養素を積極的に摂りましょう。