健康を維持するために大切な栄養の役割と重要性 | 歯と健康のラボラトリー

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健康を維持するために大切な栄養の役割と重要性

みなさんは健康で元気に毎日の生活を送っていますか?

今は元気で健康に生活しているという方も、忙しい毎日の中で食事を抜いてしまうことや、食事をとる時間を十分に作らずあまり噛まずに飲み込んでしまうことが続けば、身体の機能を維持したり精神状態を保つための栄養が不足し、悪影響が出てしまうことがあります。

ただ単に食べ物を食べれば良い、というわけではなく、健康を維持するためには栄養バランスを考え、しっかりと噛んで食べることが非常に大切です。栄養バランスの悪化は、発育障害や身体の不調に繋がり、最悪の場合には病気になってしまうこともあります。

病気になってしまえば通院入院のために膨大な時間とお金を掛けることになりますし、辛い思いをすることになります。

丈夫な身体を作ることで毎日を健やかに過ごし、将来も末永く健康に過ごすために重要な「栄養」についてこの機会にしっかりと考えましょう。

今回は私たち人間の身体に対する栄養の役割や重要性についてお伝えします。

Contents

栄養の働き

私たち人間はもちろんのこと、人間以外の生物もそうですが、その生命を保つことや成長していくために必要な成分を体外の物質からとり入れることを”栄養”と言います。

私たち人間の身体を構成しているのは、血液や脂肪や筋肉や骨などです。これらの組織を構成しているのが栄養素で、食べものを食べることで栄養素を体内に吸収し、その栄養素を原料として消化や吸収、代謝を行います。その働きによって成長に必要な成分が作り出されたり、健康状態を維持するために必要な成分が作り出されるのです。

栄養素をしっかりと摂取することができない飢餓状態では、身体を構成する成分やエネルギーの源がなくなり、身体の機能を調整することもできなくなってしまいます。

栄養素には大きく分けて3つの働きがあります。

  1. エネルギー源になるもの
  2. 身体の組織(血液・筋肉・骨など)を構成するもの
  3. 身体の調子を整えるもの

食材の中に含まれている数多くの物質のうち、私たち人間の身体の健康を維持するためになくてはならない成分が栄養素です。

毎日の食事でバランス良く栄養を摂るためには、どのような種類の栄養素があるのかを知っておくことが大切です。

栄養素の種類とそれぞれの役割

エネルギーの源になったり、身体の組織を作る働きをする栄養素には、タンパク質・脂質・糖質があり、この3つを3大栄養素と呼びます。そしてこの3大栄養素に身体の調子を整える役割があるビタミン・ミネラルを加えたものを5大栄養素と呼びます。

5大栄養素のそれぞれの働きについても詳しくみていきましょう。

タンパク質

髪の毛・爪・血管・筋肉・内臓などを構成しているのがタンパク質で、体内では分解されてアミノ酸となります。その他にも酵素や免疫細胞、ホルモンを生成する役割も果たしています。体内に取り入れられたタンパク質がアミノ酸に分解され、それぞれの働きに必要なタンパク質に合成されます。

体内で作ることができるアミノ酸と、体内で作ることができないアミノ酸があります。人間の身体に必要なのにも関わらず体内で作ることができない、つまり食べ物から摂取しなくてはならない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」と言います。

タンパク質が不足すると、せっかく食べたものも消化吸収することができず、胃がもたれたりしてさらに食べられなくなってしまいます。また、胃薬で胃酸を抑えてしまうと、かえって消化ができずに悪循環になってしまうことがあります。

タンパク質で胃もたれしてしまうときは、すでに分解されているアミノ酸の製品を摂取して、徐々にタンパク質が食べられる体にすることが必要です。

また、成長期の子供はもちろんですが、高齢者でも、より多くのタンパク質の摂取が必要となります。

脂質

脂質は最も効率の良いエネルギー源です。また、臓器や神経などを構成したり、ビタミンを体内で運搬する手助けをするのが脂質です。体温維持やお肌のうるおいを補ったり、正常な女性ホルモンの働きを助ける役割を果たしています。

特にダイエット志向の方は脂質を過剰にカットしてしまうことがありますが、脂肪を減らし過ぎてしまうのは危険です。脂質が不足してしまうと美肌や美髪を維持することが難しく、健康面でも悪影響が出てしまいます。脂質にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。酸化した油やトランス脂肪酸を避け、良質な脂質を摂取しましょう。

過剰摂取は肥満の直接的な原因になりますが、ある程度の脂肪は美容と健康を維持するために欠かせないのです。

糖質(炭水化物)

炭水化物から食物繊維を取ったものが糖質です。栄養素の中で最もエネルギー源として使われやすく、身体を動かしたり脳を働かせる即効性が高いのが糖質です。日本人の主食である米や小麦などの穀類はもちろんのこと、イモ類やトウモロコシなどにも含まれています。

現代では知らず知らずの間に糖質の摂取が過剰となってしまっています。過剰に糖質を摂取してしまえば、エネルギーとして使われることなく余ってしまうため、中性脂肪になり体内に蓄積され肥満の原因になったり、動脈硬化の原因になります。

また、空腹時の糖質摂取は糖尿病でなくても、血糖値の急上昇とその後の急降下をまねき、眠気やイライラなど精神面への影響も大きいため、摂取の仕方に注意が必要です。

糖質をエネルギーとして変換するためには、ビタミンB1が必要不可欠になります。豚肉などのビタミンB1が豊富に含まれている食材と組み合わせた献立を考えることで、代謝を高め効率よくエネルギーとして使用することができます。

ビタミン

糖質・脂質・タンパク質の代謝を助け、血管や粘膜、皮膚など、身体の機能を正常に維持するために欠かせない栄養素がビタミンです。

ビタミンの必要な量は少ないのですが、体内ではほとんど作られず、作られたとしても必要量には満たないため、必ず食品から摂取して補う必要があります。

水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンという2つの種類があり、脂溶性ビタミンは脂質と共に体内にためおくことができます。しかし水溶性ビタミンは体内にためておくことができる日数が少ないので、なるべくこまめに補うことが大切です。

脂溶性ビタミンはサプリメントなどで過剰に摂取してしまうことがあるため、注意しましょう。

ミネラル

骨や歯などを構成し、身体の調子を整える役割を果たしているのがミネラルです。カルシウム・鉄・ナトリウムなどの16種類の必須ミネラルがあり、体内でつくることができないため、食事でしっかりととることが大切です。

ミネラルが不足すればさまざまな欠乏を引き起こす原因になったり、カルシウムが不足すれば骨粗鬆症になるなどリスクが考えられます。

摂り過ぎても高血圧症や中毒を起こす可能性があるので、バランス良く適量を摂取するようにしましょう。

まとめ

栄養が不足してしまったり、栄養バランスが悪い状態が続けば、身体的な面や精神的な面でも不調になり、健康状態が悪化してしまいます。栄養バランスの過不足によって生活の質が下がり、病気になってしまうなど辛い思いをしないためにも、早いうちから栄養の事をしっかりと考慮した食事を摂るように心がけましょう。

食事をする上で大切なことは、それぞれの栄養素をバランス良くとることです。現代の私たちの食生活は豊富な食材に恵まれ、輸入などによって外国の料理も楽しむことができるようになり、好きなものを好きなタイミングで食べられるようになっています。しかし食べたいものを食べたいだけ食べるのではなく、「食事の本来の役割は必要な栄養素をとり、生命を維持することだ」ということを忘れないようにしましょう。

バランスの悪い食生活を続ければ、いずれは身体の消化・吸収などの機能や基礎代謝などにも悪影響を及ぼします。また、食べ過ぎによる肥満は糖尿病や高血圧などさまざまな生活習慣病の原因となることもあります。

健康を維持するためにも今一度ご自身の食生活を見直し、栄養についてしっかりと考えるようにしましょう。

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