みなさんはご自身の歯並びに自信がありますか?
歯並びについてコンプレックスを持っている方は、意外と多いものです。
最近、大人の方で歯科矯正を行う方が増えていることもあり、子どもの頃に歯科矯正を無理して行わなくても大人になってから行えばいいのではないかという認識が広まりつつあります。
確かに、大人になってから歯科矯正を行うのは遅いというわけではありません。しかし、大人の歯科矯正では注意すべき点があります。
それはどういったものなのでしょうか。
今回は大人が歯科矯正を受ける際の注意点についてお伝え致します。
Contents
歯科矯正とは
そもそも歯科矯正とはかみ合わせが悪い歯並びを矯正装置によってゆっくり動かし、理想の歯並びに調整していく治療法を言います。
患者さんの歯を動かすことが最優先なので、一般的には治療中に歯を削ることはありません。
子どもの歯科矯正と大人の歯科矯正の違い
では、子どもと大人の歯科矯正ではいったいどういった違いがあるのでしょうか。
子どもはまだ顎の発達が未熟なのでその成長を促したり、抑制しながら理想の方向へ歯を整えながら行う必要があります。そのため、子どもの歯科矯正の場合には治療期間が一期と二期に分かれており、治療期間についても大人と比べて長期間になります。
一方で、成長がすでに終わっている大人の場合には顎の大きさが完成しているので、それを元に治療が行われます。
あごの大きさに対して歯が入りきらず凹凸がある場合や、歯列が出ているなどの場合には抜歯してそのスペースを使ってきれいな歯並びにしたり、前歯を後ろに下げたりという治療が行われます。
大人の歯科矯正で使用する装置
大人の歯科矯正と一言で言っても、使用する装置にはさまざまな種類があります。
大人の歯科矯正で使用する装置について例を挙げていきます。
マルチブラケット
ブラケットと言われる装置を歯に装着するもので、ブラケットにゴムやワイヤーなどを固定することによって歯を動かしていきいます。
前歯だけ目立ちにくいセラミック製のブラケットなどを使うこともあるのでクリニックで相談してみるといいでしょう。
ワイヤーは金属でできていますが、白っぽい金属製のワイヤーもありできる限り目立たないよう矯正することが可能です。また、ワイヤーを固定するゴムをカラーゴムなどにすることでファッショナブルに矯正している方も増えています。
可撤式矯正装置
これはすべての歯を矯正する必要がない場合に行われる可撤式の矯正装置を使う方法です。
リンガル矯正
この矯正法は、歯の裏側にブラケットがつくマルチブラケットというものです。
外側から装置が見えないというメリットがあります。
その他の矯正法
他の矯正方法として、プレートタイプやマウスピースタイプなどがあります。ご自身にはどの矯正方法が合うのか事前にしっかりと医師と相談しておくことで、安心して治療を受けることができます。
大人の歯科矯正の注意点とは
歯科矯正と聞くと若い方や子どもの治療というイメージがある方も多いでしょう。
最初にお伝えした通り、近年では大人になってから矯正をする方が増えており、もちろん矯正することが可能です。
ただし、大人になってから歯科矯正を行う場合ならではのリスクやデメリットもあるので、大人の歯科矯正においての注意点をご説明致します。
かぶせ物や虫歯がある場合
大人が歯科矯正する場合、虫歯があると歯の周囲を傷めてしまい逆効果になることがあります。そのため、歯科矯正を行う前にしっかり虫歯治療を行っておく必要があります。
虫歯を治療して歯に銀歯などのかぶせものが多い状態で歯科矯正を行ってしまうと、歯の周囲を傷めてしまったり、治療に支障が出たりして逆効果になるケースもあります。
また、もともと虫歯治療の経験が多く銀歯などのかぶせ物が多いと歯科矯正の治療に支障をきたす場合もあります。そのためかぶせ物や虫歯が気になる場合には、しっかりと担当医師と相談しておくことをおすすめします。
もちろん矯正前の事前検査で虫歯が見つかる可能性があるので、その際は虫歯の治療が優先されます。
歯周病
歯周病を患ったままで歯科矯正を行うと、歯の周囲を傷める原因になります。
歯周病とは、大人になるにつれ発症頻度が高くなりますし、症状が重症化していきます。
また、歯周病は自覚症状がない方が多いので、矯正を行いたい場合には前もって歯周病がないか検査をすると良いでしょう。
矯正の進み具合が遅い
子どもに比べて成人の場合には歯の周りの骨が硬かったり、代謝が落ちていることが多いため、子どもが行う矯正よりも進み具合が遅くなると言われています。
無理に早く矯正しようとしてしまうと、歯や周りの組織を傷めてしまう可能性があるためゆっくりと治療を進めることが大切です。
生活への影響を考慮する必要がある
歯科矯正を行っていると最初は特に話す時に違和感があったり、食事中に違和感を感じることがあります。
さらに、歯科矯正に使用する装置は特殊なため、見た目が悪くなることもあります。
職場で話し方や食事の仕方、見た目に気を付ける必要がある方は日ごろの生活への影響も考慮しておきましょう。
費用面について
歯科矯正は虫歯治療とは違い保険対象外の自由診療になるため保険が適用されません。
費用の目安としては70万円~150万円程度となっています。費用面でもしっかりと計画性を持つことが大切です。
歯茎が加齢によって下がって見える
大人が歯科矯正する場合、歯をキレイにしても歯と歯茎の間にずれや隙間ができてしまい、歯茎が下がって見える場合があります。
歯科矯正したすべての方がそうなるとは言えませんが、加齢により大人の方歯茎が下がってしまうことが多いようです。
まとめ
いかがでしたか?
大人が歯科矯正する場合に注意する点についてご紹介致しました。歯科矯正は気軽にできるものではないため、しっかり医師と相談しながら行いたい治療です。
歯科矯正すると見た目が美しくなるだけでなく、歯周病や虫歯になるリスクが軽減するなどたくさんのメリットがあります。
大人になってから歯科矯正しても決して遅くはありません。ただし、上記の注意点をしっかり頭に入れて歯を大切にしながら矯正しましょう。