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ビタミンCの重要な役割とビタミンCが不足して起こること

ビタミンCは水溶性のビタミンで、果物や野菜に含まれています。ビタミンCは美容成分として馴染みが深いですが、別名アスコルビン酸とも呼ばれ、私たち人間にとって美容面だけでなく健康面でもなくてはならない重要な存在です。

ビタミンCは人間の体内では作られないため、不足してしまうと欠乏症を引き起こします。現代人は炭水化物や脂質を十分に摂取できていても、ビタミンは不足していると言われていますので、食生活には十分注意する必要があります。

ビタミンCが不足するとどのようなことが起こるのかを知り、この機会に栄養バランスを考え直してみてはいかがでしょうか。

今回は口腔と全身の両方からビタミンCの重要な役割と、ビタミンCが不足すると起こることについてお話したいと思います。

ビタミンCとは

ビタミンCは水溶性のビタミンで、私たち人間の活動においてさまざまな局面で重要な役割を果たしています。

ビタミンCは体内に入ると小腸の上部から吸収されて肝臓に運ばれます。肝臓に運ばれたのちに血液によって全身へと運ばれさまざまな役割を果たします。

多くの動物は体内でビタミンCを作り出すことができるのですが、私たち人間は体内でビタミンCを作り出すことができない為、食事などでビタミンCを摂取することが必要不可欠です。柑橘系を始めとするさまざまな食品に含まれているほか、サプリメントなどの補助食品にも使用されています。

ビタミンCが不足している場合には体内への吸収率が良くなり、ビタミンCが十分である場合には尿として体外に排出されます。

厚生労働省が推奨している成人の1日のビタミンC摂取量は100㎎以上です。ビタミンC不足によって起こる深刻な病気を引き起こさないための最低量ですので、1日100㎎以下にならないように注意しましょう。

ビタミンCの役割

ビタミンCにはさまざまな役割があります。

コラーゲンを合成する

たんぱく質の一種であるコラーゲンには、体の細胞同士をつなぎ合わせる役割や丈夫な骨を作る重要な役割があります。

コラーゲンが体内で生成される際に無くてはならないのがビタミンCで、ビタミンCが不足している状態ではコラーゲンが十分に作られず、骨粗しょう症や毛細血管からの出血などさまざまなトラブルが起こりやすくなります。

コラーゲンの生成に関わっているということは、皮膚だけでなく骨や筋肉、血管の細胞の生成などにも役立っているということです。

抗酸化作用

ストレスや喫煙、激しい運動などの影響で私たちの体内では活性酸素というものが発生します。活性酸素は本来は体にとって必要な物質で、体内の細菌やウイルスを撃退する役割を果たします。

しかし活性酸素が過剰に蓄積すると細胞を酸化させてしまい、体にさまざまな悪影響を及ぼしてしまいます。

ビタミンCには活性酸素を分解する働きがあり、免疫力の強化に役に立ちます。

 

このほかにも抗がん作用やアレルギーの原因を抑える作用、解毒作用などビタミンCが関係している体内の働きは数千種類あると言われています。

ビタミンC欠乏症

ビタミンCはコラーゲン(すべての組織の基本のたんぱく線維)の合成に関わっているため、ビタミンCが欠乏すると歯肉・骨・すべての組織が弱くなります。直接体を構成するわけではありませんが、ビタミンCがなければ生命活動を維持することが難しくなります。

壊血病

ビタミンCは柑橘系の果物に含まれる壊血病を予防する成分として発見されました。

壊血病とは毛細血管が弱くなり、全身の皮下、歯肉、関節内で出血が起こりやすくなり、感染症にかかりやすくなったり倦怠感が現れる病気です。徐々に関節が傷み、歯が抜けてしまうなどの症状が現れます。症状が進行すると浮腫を起こしたり神経障害などが見られ、死に至ります。

ビタミンCが発見される前の1500年~1800年の間には、ビタミンC不足による壊血病が原因で200万人もの船員が亡くなったことが分かっています。当時は大航海時代で長期間の航海の影響で、ビタミンCが不足してしまったのです。

現代の壊血病の発症例は以前ほど多くはありませんが、近年ではヘビースモーカーや食事が偏りやすい高齢者などに発症した例があります。その他にもお菓子ばかり食ている人や薬物乱用者、ネグレクトされている子どもにも発症する可能性があります。

新鮮な野菜を食べることが無く、インスタント食品や冷凍食品で済ませている場合には、ビタミンCが不足して壊血病を発症する可能性があります。

免疫力の低下

ビタミンCには体内で発生してしまう活性酸素を分解し、老化の進行を予防し白血球の働きを高める役割があります。

ビタミンCが欠乏し体内の活性酸素を分解することができなくなると免疫力が低下します。

免疫力が低下するということは不特定多数の病気を引き起こすリスクが高まるということです。ビタミンCを補うことで免疫力が向上しますので、欠乏しないようにしましょう。

ビタミンCが不足すると起こる口腔トラブル

ビタミンCが欠乏すると全身にさまざまな悪影響を及ぼしますので、口腔内も例外ではありません。

歯茎からの出血

ビタミンCには健康な歯茎を維持し、歯周病を予防する役割があります。

コラーゲン繊維は歯と歯茎と歯槽骨を結びつける役割があり、ビタミンCが不足すると歯茎の細胞を構成するコラーゲン繊維が破壊され、出血しやすくなってしまいます。

ビタミンCには破壊されたコラーゲン繊維の再生を助けるため、歯周病を予防・改善するために欠かすことができません。

丈夫な歯を作ることができない

歯の表面を作っている主な栄養素はカルシウムです。しかしその土台となるのはたんぱく質で、カルシウムやたんぱく質がうまく機能するためにはビタミンCが必要です。

また、象牙質の形成に必要不可欠となるため、ビタミンCが不足すると歯が脆くなってしまう可能性があります。

また、コラーゲンがうまく生成されないと歯がぐらついてしまうことがあります。

まとめ

いかがでしたか?

ビタミンCを摂取できているかどうかを、毎日意識している方はあまり多くないかも知れません。しかし万が一ビタミンCが不足すれば、美容面で悪影響が出るだけではなく全身の健康を脅かす可能性があるため、必ず毎日摂取しましょう。

食が豊かになり栄養が豊富な時代だからこそ、栄養バランスに十分に注意し、偏りが無いように心がけましょう。

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