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腸に穴が開く”リーキーガット症候群”を引き起こす食べ物とは

皆さんは「リーキーガット」という言葉を聞いたことがありますか?

リーキーとは英語で「液体などが漏れる」という意味がある動詞、Leak(リーク)の形容詞です。よく『情報をリークする』という風に使われるのでご存知の方もいらっしゃるでしょう。

リーキーが漏れている状態で、ガット(Gut)は腸を意味します。つまりリーキーガットとは、「腸に穴が開いて菌やウイルスやたんぱく質などの異物が血中に漏れ出してしまう状態にある腸」のことです。リーキーガットは日本語では「腸管壁浸漏」と呼ばれています。

腸の健康を損ねてしまえば、全身の健康を脅かすことになります。腸に穴が開くと聞いただけで恐ろしいですが、私たちの健康を維持する上で重要な役割を果たしている腸を守るためにも、正しい食事方法を身に付けましょう。

リーキーガットの恐ろしさ

リーキーガットとは、冒頭でお伝えしたように腸の粘膜に穴が開いている状態のことを言います。穴が開いているといっても、目に見える大きな穴が開いているのではなく、“腸の透過性が亢進”している状態です。

正常な状態の腸では、腸内に入った食べ物などは腸粘膜のバリア機能によって「体にとって害があるものかどうか」ということが判断され、体にとって無害なものだけが血液中に吸収されて全身に回ります。そのため、バクテリアなどの異物は、体の中に簡単に侵入することができません。

しかし、腸の透過性が亢進しているリーキーガットの状態では、体にとって異物であるバクテリアや未消化の食べ物、ウィルスなどが血液中に侵入してしまいます。その結果、異物を除去しようと体の免疫が過剰に働くことで、全身的に慢性炎症が生じてしまうことになるのです。

医療が目覚ましく発達した現代において、がんや認知症、アレルギーなどの自己免疫疾患は一向に減らず、むしろ増えています。

これらの病気を含め、現代の病気のほとんどが慢性病で、慢性病は慢性炎症の結果起こることがわかっています。(もちろん歯周病も慢性炎症が起こす慢性病です)

慢性炎症は、以下のような症状にも関係しています。

  1. 動脈硬化
  2. 糖尿病
  3. がん
  4. 関節痛
  5. アレルギー反応
  6. メタボリックシンドローム

このように、リーキーガットになると、さまざまな体の不調を引き起こします。病院に行っても原因がはっきりしない多くの病気にリーキーガットが関係していると言われているのです。

程度の差はありますが、日本人の約70%にこの症状があると言われており、とても身近な症状にも関わらず、あまり知られていません。しかも上記のような重大な病気にもつながっていく可能性があるので、健康を保つためには、リーキーガットを知って、防ぐことが大切です。

リーキーガットを引き起こす原因

リーキーガット症候群を引き起こす主な原因は、食生活や薬の影響が考えられます。毎日口にしている食品がリーキーガットと関係しているのは驚きですよね。

アルコールやカフェイン、白砂糖が多く含まれる飲料の過剰摂取は腸壁の炎症を引き起こし、着色剤や防腐剤などの食品添加物が含まれているインスタント食品や加工食品などは腸を荒らす原因となります。

リーキーガットを引き起こす原因となる食品を特定したい場合には、まずはリーキーガットを引き起こす原因と考えられる食品を2週間ほど完全に除去してみましょう。そして再度原因となり得る食品を口にした際に体に不快症状が現れた場合は、その食品がリーキーガットを引き起こしている原因と考えられます。

また、抗生物質や経口避妊薬、ドラッグストアなどで販売されている身近な薬でもリーキーガットを引き起こすことがあります。薬を継続的に服用することにより、腸壁を保護しているムチン層を傷つけてしまうのです。薬に頼りすぎてしまうとリーキーガットを引き起こしてしまう可能性があるので、薬を服用する際には十分に注意しましょう。

リーキーガットを引き起こす食生活

リーキーガットを引き起こす大きな原因となるのが食生活です。食生活をバランス良く整えることが、リーキーガット予防になり、結果として体に起こるさまざまな障害を予防することに繋がります。

リーキーガットを引き起こす原因となる栄養素には主に4つの種類があります。

グルテン

グルテンは、小麦や大麦などの穀物に含まれる成分であり、小麦製品に多く含まれています。パンのふっくらした弾力やうどんのコシを生み出す役割を果たしているのもグルテンです。

【グルテンを多く含む食品】

  • スナック菓子
  • コーンフレークやシリアル
  • ラーメン
  • スープ類
  • ワンタンや餃子
  • 醤油
  • 照り焼きソース
  • 中華・ゴマ系ドレッシング

グルテンに含まれるタンパク質のグリアジンには、小腸の壁の結合組織を破壊する作用があります。そしてグリアジンは腸の粘膜に付着してゾヌリンと呼ばれる物質の産生を促進します。ゾヌリンには腸粘膜の細胞間を広げる作用があるため、リーキーガットを引き起こす原因と考えられるのです。

グルテンは意外な食品に含まれていることが多く、知らないうちに腸壁を傷つけている可能性があります。

レクチン

レクチンは、豆類・穀物・トマト植物の種や根っこなどに含まれており、鳥や虫、小動物から身を守るために主に植物の種子に含まれます。

特定の糖と結びついて反応を起こすタンパク質で多くの食品に含まれていますが、人体に悪影響を及ぼすほど含有量が多い食品は限られています。

【レクチンを多く含む食品】

  • 小麦
  • トウモロコシ
  • 大豆
  • インゲン豆
  • ピーナッツ

本来食べ物に含まれるタンパク質は腸内でアミノ酸のようなレベルにまで小さく分解され、腸から血液中にスムーズに吸収できる仕組みになっています。

しかし、上記の食品に豊富に含まれるレクチンは分子量が大きいため、腸内で吸収できるレベルに分解されません。そして、腸内に取り入れることができないレクチンは腸壁の細胞膜の炭水化物と結びつき、腸壁の透過性を高めるなど消化機能に損傷を与えると言われているのです。

サポニン

サポニンとは、豆類や抹茶などに含まれているもので、泡を作り出す成分で、豆類を煮ることで出てくる泡の正体です。レクチンと同様に鳥や虫、小動物などの外敵から身を守るための物質です。

【サポニンを多く含む食品】

  • 豆類
  • ナス科の植物(トマトやジャガイモ)

サポニンは天然の界面活性剤としてしられており、腸内でも界面活性作用を発揮します。その結果として腸粘膜を傷つけてしまい、リーキーガットを引き起こします。

ただし、発酵させた豆類や発芽豆の場合には、サポニンの含有量がかなり減少しますので、納豆などがおすすめです。

タンニン

タンニンとは、お茶やワインなどに含まれる渋み成分であり、ポリフェノールの一種です。タンニンには、下痢止め効果や抗酸化作用や殺菌作用があるため適量であれば健康への害はありません。

【タンニンを多く含む食品】

  • 赤ワイン
  • 緑茶
  • ビール
  • はちみつ
  • ハーブ類

タンニンを過剰に摂取してしまうと腸内細菌のバランスを整える役割を果たしているミネラルの吸収を阻害し、腸内細菌のバランスを崩してしまいます。その結果、腸内細菌によって担われている腸のバリア機能が損なわれ、リーキーガットを引き起こします。

ただし緑茶に含まれるタンニンのほとんどがカテキンです。カテキンには善玉菌が住みやすい環境を作る整腸作用があるため、リーキーガットに効果的だと言われています。しかし緑茶にはカフェインも含まれるので、過剰な摂取はやめましょう。

 

このようにリーキーガット症候群を引き起こす原因となる食品は沢山あります。いずれにしても過剰摂取は良くないので、栄養バランスのとれた食生活を送りましょう。

まとめ

リーキーガットは食生活が原因で引き起こされてしまうことがあるということが分かりました。

現代はリーキーガット症候群を引き起こしやすい食べ物が沢山出回っていますので、どなたにもリーキーガット症候群が起こる可能性があるのです。

合う食べ物・合わない食べ物には個人差があるので、体調の変化を見逃さず、リーキーガット症候群を防ぐ食生活を心掛けましょう。

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