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高齢者の虫歯の原因とは?知っておきたい特徴とリスク

日本人は海外と比べて歯の健康に対する意識が低いと言われています。

歯は親知らずを含めて32本ですが、日本人の55歳の時点での歯の残存本数は平均で23.6本、65歳で18本、そして80歳では7本しか残っていないのが現状です。もちろん平均値なので個人差はありますが、日本人の80歳時の残存本数は最も歯に対する意識が高いと言われているスウェーデンの平均値の半分にも及びません。

そして、数字を見ると55歳を過ぎた後から歯が急に減っていくのが分かりますね。つまり、高齢者こそ歯への意識を高めなければいけないのです。

今回は、幾つになってもご自身の歯で快適な生活を送るために、高齢者の虫歯についてご紹介します。

高齢者の虫歯の原因

まずは、虫歯になる流れを知っておきましょう。

歯の表面に付いた歯垢(プラーク)にミュータンス菌などの虫歯菌が棲みつき、食事の糖分を取り込み酸を出します。出された酸が歯の表面の固いエナメル質を溶かし続けることを「脱灰」と言うのですが、この作用が続くと虫歯になるのです。

通常はこの時口内の唾液が溶かされた歯を回復させる「再石灰化」が起こりますが、稀に脱灰と再石灰化のバランスが崩れることがあります。脱灰が優位に動いている状態を放置してしまうと虫歯が進行してしまうのです。

高齢者の場合、エナメル質が少なかったり、歯茎がすり減って歯の根元が露出したりしているので虫歯に侵されやすくなります。また、身体機能が衰えて唾液の分泌が少なくなっているため、自浄作用が弱まっていることも原因の1つです。自浄作用が弱まると舌苔が付きやすく、味を感じにくくなることや味覚に変化が起きることがあります。

高齢者の虫歯の特徴とリスク

高齢者の虫歯と若者の虫歯は一体なにが違うのでしょうか。

進行が早い

高齢者の虫歯はエナメル質、唾液の分泌量が少ない、歯茎が痩せている、などの歯を守る機能が低下しているため進行が早く、初期の状態の時に虫歯治療を受けないと歯を失ってしまうことがあります。

「少し歯が痛むけどまだ大丈夫」という油断が危険です。少しでも歯に違和感があればすぐに歯科医院に行き専門医の治療を受けてください。

抜歯が必要になる場合も

高齢者の虫歯は、歯の根元(根面カリエス)の所にできることが多く、エナメル質がないため、進行が早く、神経(歯髄)にも近いため、神経の処置が必要にあることもあります。また、歯肉の下に虫歯が進んでしまうこともあるので保存することが困難で、抜歯しなければならないこともあります。

初期の虫歯なら抜歯や麻酔をしない簡単な治療だけで治りますが、進行していると抜歯しなければならず、麻酔が必要になる場合があります。高齢者にとって麻酔は体に少なからず負担がかかりますし、ストレスの原因にもなりかねません。

高齢の方ですと疾患を抱えていることや薬を服薬している場合も多く、麻酔を用いた治療が不可能であるケースもあります。

歯周病から他の病気を引き起こす

虫歯を放置しているとそこから菌が繁殖し歯周病になることもあります。

歯周病が広がると、その菌と戦おうと白血球の働きが活発化します。白血球を活発化すると心臓などの臓器に負担がかかり、さらに、心筋梗塞などの病気を引き起こす可能性は少なくありません。

他にも口内の雑菌が食事の際に体内に入ることで肺炎のリスクも高まります。

このように高齢者の虫歯は口内だけではなく重い病気にまで発展してしまう可能性が大きく、とても危険なのです。たかが虫歯、と思ってはいけません。早期発見、早期治療を心掛けましょう。

認知症になる可能性

咀嚼は脳に刺激を与え、アセチルコリンという伝達物質を増やします。しかし、口内環境が悪くなると噛む能力が衰えるので認知症になるリスクが高まります。さらに、認知症になると口内ケアが疎かになり虫歯や歯周病になりやすくなるでしょう。

ご自身の健康な歯でしっかりと食事を摂ることの大切さをご理解いただけたでしょうか。

今は入れ歯の技術も進化し、ご自身の歯のように生活することが可能ですが入れ歯はケアが大変なのでやはりご自身の歯が1番ですね。

失った歯を放置していると

虫歯のリスクとして歯を失うことをあげてきましたが、歯を失った状態のままでいるとどのようなリスクがあるのでしょうか。

歯並びが悪くなる

歯と歯は支え合っている状態なので、支えを失った歯は移動したり傾いたりしてしまいます。歯並びが悪いと上手く咀嚼できない、見た目が悪いなどの様々なデメリットがあります。第一印象は口元から大きく変わるので、清潔的な印象を与えるためには整った歯並びが必要不可欠です。

虫歯、歯周病の原因

歯並びが悪くなると歯磨きがしにくく、きちんと汚れを落とせなくなります。そうすると虫歯や歯周病になるリスクが高くなり、口臭の原因にもなりかねません。

体中に悪影響

歯を失ったことで歯並びが悪くなると、顎関節症や肩こり、頭痛など口元以外の場所にも悪影響が及びます。また、下顎の位置が不安定になることで輪郭が歪んでしまう可能性も考えられます。

咀嚼も悪くなるため、栄養の摂取の十分できなくなり、フレイルにもつながっていきます。

残っている歯に負担がかかる

歯が1本無くなると、その分を咀嚼や会話の度に他の歯が負担することになります。必要以上の負荷がかかった歯は寿命が短く、結果的に他の歯も失ってしまうことになるかもしれません。

歯を失うことがないようにしっかりと虫歯予防を行い、万が一歯を失ってしまった場合はすぐに歯科医院で治療を受けましょう。

高齢者の虫歯予防

虫歯を予防するためには、ゆっくりと時間をかけて歯を磨くことが大切です。手の動きに自信がないという方には電動歯ブラシがおすすめです。また、歯間の汚れを落とすためにデンタルフロスを使用するのも良いでしょう。

定期的に歯科検診を受けることも大切です。歯科医院で専門医によるメンテナンスをしてもらいましょう。

汚れが残っている部分や汚れを落とせているか不安な部分などがある場合には、ブラッシングの指導を受けると安心です。

まとめ

いかがでしたか?

高齢者の虫歯は他の病気を引き起こしたり、十分な食事が摂れなくなったりと、虫歯が原因で全身の健康にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

ご自身の歯で健康に長生きするために、いくつになっても虫歯予防をしっかりと行ってください。

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