歯と健康のラボラトリー

食習慣が歯の健康を左右する!歯を健康に育てるための食習慣とは

私たち人間は、身体も脳も心も全て食べた物から作られています。何を食べるかによって身体の健康、歯の健康が大きく左右されるのです。

基本的に小さなお子さんは、親御さんから与えられたものしか口にすることができません。自分で食べたいものを選ぶことはできませんよね。

与えられた食べ物が身体に良い物であってもそうでなくても、子どもは自分で判断ができないのです。だからこそ周りの大人が何を与えるかということが、子どもの健康を守る上で非常に重要なのです。

今回は子どもの歯の健康を守るために、歯から見た正しい食習慣についてお伝えします。誤った食習慣が身についてしまう前に、ご家庭の食習慣について今一度考えてみましょう。

子どもの頃からの習慣が歯の健康を左右する

乳歯は、永久歯に比べて柔らかく歯質が薄く抵抗力が弱いため、虫歯の進行が早いという特徴があります。しかし、乳歯は物心つかない生後6ヶ月くらいから生えてくるため、この頃から親御さんがしっかり虫歯予防を意識する必要があります。

「乳歯が虫歯になっても、永久歯に生え変わるから大丈夫」という考えは危険です。乳歯の頃の虫歯は永久歯の健康を損ねてしまうことに繋がるので決して放置してはいけません。

虫歯は予防が可能な病気で、食習慣が虫歯のリスクを左右します。虫歯は歯の生え方にも影響してしまうことがあるので、子どもの頃から歯のことを考えた食生活を心がけましょう。

食生活の見直しの重要性

毎日の正しい食事は、お子さまの心と身体の発育の要です。バランスの取れた食生活は健康な身体の発育を支え、適切な食習慣はお口や歯の健康に欠かせません。味覚の発達にも通じています。

子どもは甘いものが大好きですが、糖分は虫歯のエサにもなりますので取り過ぎは虫歯を発症させるリスクを高めてしまいます。

特に乳歯や生えたての永久歯は、虫歯菌が出している酸に抵抗する力が弱く虫歯の進行が早いものです。砂糖を習慣的に摂ってしまうのは、あまりおすすめできません。

そしてもっとも虫歯に良くないのは、ダラダラと食べ続けることです。お口の中に虫歯菌の栄養源となる糖分が常にある状態になるため、虫歯になりやすくなります。

小さい頃は一度にしっかりとした食事ができず、栄養補給のために小刻みにおやつなど食べることになりますが、そういった時に虫歯になりにくい食べ物を選んだり、あげる時間を工夫したりすることで虫歯予防に繋がります。

おやつを小分けにして食べたり、1日に何回もジュースを飲ませてしまっていると口の中に糖分が留まる時間が長くなるので注意しましょう。

歯の状態に合わせた適切な食生活

子どもが食物を正しく噛むことを学習することは、子どもの咀嚼機能の発達と食育の面からみて重要だということは親御さんも十分理解していることでしょう。

基本的には食物を前歯で噛み切り、奥歯(臼歯)で噛みつぶして胃や腸で消化しやすいように咀嚼します。

母子健康手帳では、離乳完了は生後15ヶ月(1歳3ヶ月)と記載されていますが、食べ物をすり潰すのに重要な第一乳臼歯が生え始めるのは1歳3ヶ月頃です。

そして上下の第一乳臼歯の噛み合わせが完成するのは1歳8ヶ月頃が一般的です。

乳臼歯が生えるまでは子どもは歯ぐきや前歯で食物を噛んでいる状態ですが、この頃に奥歯を使わないと噛みつぶせないような硬い食物を与えてしまうと、適切な時期に適切な咀嚼機能が発達できなくなる可能性があります。

奥歯で咀嚼することを学習するのは1歳半頃~3歳くらいまでの間であると言われています。

母子健康手帳には離乳完了時期や幼児食や歯の健康と歯みがきの記載がされていますが、子どもの歯の状態に合わせた食育方法は記載されていません。

しかし最も大切なのは、”お子さんの口の中の状態に合わせた食事を与えること”なのです。

離乳食から固形食に変える時期の注意

離乳食を卒業し固形食に変える際は、必ずお口の中の状態を見てあげて下さい。

奥歯が生えていなくて噛めないのにも関わらず、硬い食べ物がどんどん入ってくると、しっかりと噛まずに飲み込む癖がついてしまいます。逆に、噛めるようになっているのにも関わらず、いつまでも軟らかい食べ物しか入ってこなければ、噛む気力がなくなります。

母子手帳や育児本に書かれているのはあくまでも目安です。「何か月になったからこのような食べ物を与える」のではなく、お子さまの口の状態を見て「この歯が生えて食べられるようになったからこのような食べ物を与える」ようにすることが歯の健康な発育に大切なのです。

食事の時間は親子が楽しむ貴重な時間でもあります。一緒に、楽しみながらゆっくりと食べて、身体を大きく育てるだけでなく歯や顎の骨などの成長にも目を向けると良いでしょう。

良く噛んで食べるためのコツ

歯がしっかりと生えてきたら、良く噛んでものを食べさせることが歯や身体の健康にとって良いことです。

しかし「良く噛むことが良いのは分かったけれどなかなか続かない」というのが、多くの方の本音だと思います。大人でもそうでしょう。

一口で30回噛むことが理想ですが、「今回から一口に30回噛もう」と思っているだけでは忙しさに押されて実行し続けるのは難しいですし、ましてや3歳~4歳の子どもとなると毎回実践させるのは至難の業です。

自然に良く噛むことを習慣にするにはコツがあります。

硬い食材を選ぶ

柔らかい食べ物を硬い食べ物に置き換えていくのが最もお手軽な方法です。

例えば、食パンの代わりにフランスパンやベーグルにする、白米を玄米入りの米に替える、根菜類や乾物系のおかずを増やすなど工夫をすると良いでしょう。

おやつには糖分が含まれていなくて硬めのおせんべいなどもお勧めです。

調理法を工夫する

同じ食材でも切り方を工夫するだけで歯ごたえが変わります。これまで小さく切っていた野菜や肉を、気持ち大きめに切ってみるだけでも噛むのに必要な回数が増えるのです。

レンコンやごぼう、芋類などの煮物も、火の加減を調整して柔らかすぎないようにすると、自然と噛む回数を増やすことができます。

食事にかける時間に余裕を持つ

噛む回数が減ってしまう大きな理由に、食事に掛ける時間が短いことが考えられます。

特に朝は忙いので大急ぎで子どもにご飯を食べさせてそのまま保育園へ送るという生活を送っている方も多いでしょう。しかし少しでもゆとりを持って食べることで、噛む回数を増やすことができます。

毎食は難しいかも知れませんが、夕食だけでも実践してみるのをおすすめします。

最後に

歯の健康は食習慣と深い関わりがあります。

歯の健康を意識して毎日の食事を摂るようにすることが、全身の健康に繋がります。お子さまの食習慣を大人が正すことが歯の健康を守る第一歩なのです。

お子さまの口の中の状態をしっかりと観察し、歯の健康な成長を見守りましょう。

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