歯と健康のラボラトリー

健康でいるために!歯のメインテナンスの重要性

皆さんは、歯の「メインテナンス」をしていますか?

成人の歯は通常28本ですが、50代では平均24.7本、70代では16.2本、80代では10.1本まで減ってしまいます。このように、歯には加齢と共に失われる「寿命」があると言われており、美味しく食事を摂り、楽しく会話をするためには、ご自身の歯を長く存続させるよう注意しなければなりません

今回は、歯の寿命を延ばすために、歯の「メインテナンス」についてご説明します。

メインテナンスとは?

まず、メインテナンスについてご説明します。

メインテナンスとは、虫歯や歯周病を再発させず、治療した部位だけでなくお口の中全体の健康を長期間維持していくための定期的な管理のことです。患者さんのお口の中の状態よってその期間は変わってきますが治療が終了した後は、3~6ヶ月ごとの定期検診の受診をおすすめします。(1~2ヶ月ごとの人もいれば、1年に1回の人もいます。)

お口の中の問題の多くは徐々に悪くなっていき(慢性疾患)、最初のうちは気づかないことがほとんどです。そこが痛くなってきたり、腫れたりしてやっと自覚した時には、歯の神経の知覚まで進んでしまったり、感染したりとかなり症状が進んでしまっているのです。

前にもお話ししたように虫歯で痛くて噛めなくなったり、歯周病が進むと、食事が十分に取れなく、フレイルにつながることもあります。また、歯周病は全身の健康とも関係しています。

せっかく治療が終了して、健康なお口を手に入れても、それが維持できなければ意味がありません。

メインテナンスの目的は治療終了時の状態より悪くしない、長期間のお口の健康と衛生状態を維持することです。

メインテナンス方法

そんな虫歯や歯周病の再発を防ぐメインテナンスとは、一体どのようなことをするのでしょうか。

まずは問診、診察を行い、前回の受診からの口腔内の変化を確認します。

必要がれば、X線検査を行うこともあります。

歯周検査

歯周病検査では、歯周ポケットの測定動揺度の検査を行います。

・歯周ポケットの測定…歯と歯肉の間の境目にある溝の深さをポケットブローブという器具で測定します。溝の深さが3mm以上の場合は歯周ポケットと呼ばれ、歯周病がどのくらい進行しているのか知ることができます。また、ポケットブローブで測定した溝からの出血の有無も炎症の目安となります。

・動揺度の検査…私たちの歯は、正常な状態でも僅かに動きますが、歯根膜に炎症があると、歯と骨の結合が緩み、歯の動揺が大きくなります。歯の動揺度は3段階に分けられており、前後に歯が動く場合は動揺度1度(M1)、前後左右に動く場合はM2、前後左右上下に動く場合はM3と表されます。M3まで揺れる場合は、歯周病がかなり進行しているということです。

また、歯ぎしりや噛みしめがあっても歯が揺れてくることがありますのでチェックが必要です。

ブラッシングの再確認(セルフケア)

ブラッシングの正しいやり方を再確認します。歯と歯の間、歯と歯肉の境目、噛み合わせの面は歯垢がとくにつきやすいところです。これらの部位に、歯ブラシの毛先が届くように意識して磨きましょう。

治療中に歯科衛生士が指導していますが、それがちゃんと出来ているか確認します。

メインテナンスの中で、このブラッシングの確認が一番重要です。

歯科医院でクリーニングをしても、自分でそれが継続してできなければ健康は維持できないからです.

噛み合わせのチェック

歯並びの乱れによる影響は、歯周病だけではなく、輪郭の歪みや肌のたるみなどにも現れます。

噛みぐせや舌の癖などによっても歯並びは変化していきます。

噛み合わせをチェックし、噛み合わせの問題がほかの症状に関わってくようであれば、治療が必要になることもあります。

生活習慣指導

歯周病や虫歯になる原因として、唾液の分泌量が挙げられます。通常、唾液が歯垢を洗い流し、歯に汚れ蓄積することを防ぎますが、生活習慣の乱れで唾液の分泌量が減ってしまい、細菌が蓄積してしまうのです。

ストレスや喫煙、食習慣やなどもお口の環境に大きく関わってきます。

トゥース・クリーニング(プロフェッショナルケア)

セルフで行うブラッシングでは行き届かない部分の清掃を、プロである歯科医師や、歯科衛生士が様々な器具を用いて的確に行います。P.M.T.Cとも呼ばれます。

【トゥース・クリーニングの方法】

  1. 歯の染め出し検査などを行い、口の中を診査して、現在の口の中の状態を説明し、今後の治療方針を決めます。
  2. 専門の器具を使ってブラークや歯石を細部まで取り、バイオフィルムを取り除きます。
  3. 重炭酸ナトリウム塩などを専用の器具から吹き出して、歯の表面のヤニや茶渋などの着色を取ります。
  4. 専用のジェルを使って、歯と歯の間や表面を1本ずつ丁寧に磨きます。
  5. 仕上げに口の中を洗い、歯質を強化するフッ素を塗布します。

これらのクリーニングはすべての人に必要というわけではなく、それぞれの口腔内に合わせて必要なことを行います。

また、メインテナンスは保険診療でできるものと、自費で行うものとがあります。

今や歯周病は国民病とも呼ばれており、歯への意識が低い日本人は8割以上が歯周病になると言われております。歯への意識が最も高いと言われているスウェーデンは、70歳の残存歯数は平均20本と、日本の平均よりも4本程多いという結果になりました。

しっかりとメインテナンスを行うことで、ご自身の残存歯数を確実に増やすことができるのです。

まとめ

いかがでしたか?

メインテナンスの大切さがわかっていただけたでしょうか?

歯科医院でクリーニングして終わりではなく、ご自身の健康は自分で守っていかなければなりません。そのためにも、適切なブラッシングを身につけ、確認していく必要があります。

ご自身の健康な歯で、快適な生活を送れるよう、メインテナンスに行きましょう!

 

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