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顎顔面の外傷がもたらす悪影響~症状と対処法~

衣類などで覆われていない顔面は外傷を受けやすく、外傷を受けた場合生活の質に支障が出やすい部位でもあります。鼻、口、眼、顔面神経などの重要臓器が集まっている中でも、とくに骨折に繋がりやすいのが顎ではないでしょうか。

顎を骨折すると、後遺症として残り、今後の生活に支障をきたす可能性があります。

今回は、そんな顎顔面の外傷についてご紹介します。顎顔面に外傷を負わないことが1番ですが、万が一、顎顔面に外傷を負った際のご参考にしてください。

顎顔面の外傷の原因

顎顔面の外傷の原因として、最も多いのは交通事故です。自動車での移動が世の中に広まり、エンジン音のしない自動車の普及や、スマートフォンなどの携帯端末を見ながらの自動車・自転車の脇見運転問題などで、昔と比べると交通事故が増えたことが原因ですね。

交通事故以外では、転倒・衝突、殴打、スポーツなどが挙げられます。

とくに、冬などの寒い時期はポケットに両手を入れて歩いている方が多いですよね。そんな時に横転してしまうと、顔面から地面に叩きつけられることになり、顎や顔面の骨を折ってしまう可能性が高くなります。

稀に、顎骨内に生じた嚢胞(のうほう)腫瘍(しゅよう)により、健常な骨が吸収され薄くなったことで生じる病的骨折もあります。

顎付近には咀嚼や発音などの重要な役割をもつ歯が存在しており、さらに、顔面は個人の象徴として常に人に見られている部位でもあります。この部位が外傷を負うことで、大きな精神的苦痛を残すことになるでしょう。

後遺症を残さず、変形・瘢痕を最小限に抑えるためには、速やかな診断に基づいた正しい治療が求められます。

顎顔面の外傷から考えられる症状と対処法

それでは、実際に顎顔面の外傷を負った際に起こりうる症状とは一体どのようなものでしょうか。症状と対処法をまとめました。

下顎骨骨折

顎顔面の外傷として多いのは、この下顎骨骨折です。

下顎骨骨折でみられる症状は、内出血や顔面の腫れ、変形、痛みです。こちらの症状は基本的にどの顔面骨折でも認められます。この他に下顎骨骨折として特徴的な症状として、咬み合わせの異常(不正咬合)・口の開け閉めが困難になる(開咬障害)などのトラブルを引き起こします。

咬み合わせの異常が起こる理由は、下顎には様々な筋肉があり、折れた骨が筋肉に引っ張られることにより四方八方に向かいます。これにより咬み合わせが狂ってしまうのです。

受傷後は気が付かなくても、数日後に症状がみられることもあるので注意しましょう。

受傷後に以上の症状や、呼吸に違和感・出血などの不調があらわれた場合は、速やかに病院に行ってください。問診・視診・触診・X線写真・CT画像により骨折箇所の診断を行います。

上顎骨骨折

上顎の骨が折れたり、砕けたりすることを上顎骨骨折と言います。

顔面の中央部の外傷である上顎骨骨折は、転倒・スポーツ事故・ケンカなどで、あごを強く打ち付けた際に発生するケースが多いです。

強い衝撃を受けることにより、歯の脱臼や破折・皮膚や粘膜の損傷などを同時に合併することが多く、全身の怪我に気を取られ、上顎骨骨折に受傷してから数日間気が付かないこともあります。不正咬合、開咬障害、痛み、腫れなどの症状が現れた場合は速やかに病院で医師に診断してもらいましょう。

また、上顎骨上方は頭蓋低となるため、場合によっては頭蓋低骨折による髄液漏を来たすことも。鼻の変形や偏位、鼻閉感などの症状が起こる可能性もあります。

視診・触診・顔面のレントゲン写真・CT画像・3DCT画像により診断されます。

複合骨折

下顎骨骨折・上顎骨骨折・頬骨骨折が複合した場合のことを、複合骨折と呼びます。

下顎骨骨折・上顎骨骨折の症状以外に、輪郭の変形、鼻部・口腔内の感覚障害、眼球運動障害などの症状を引き起こします。

治療は必要な箇所の切開を行い、骨の整復と複数箇所の固定を行います。複合骨折は長期治療になることがほとんどです。

顔面の知覚神経が破損した場合は、知覚異常を引き起こすことがあり、後遺症となり残る可能性が高いので、なるべく早くに口腔外科にて医師による診断を受けましょう。

痛みを抑える消炎鎮痛薬、二次的な感染を予防する抗菌薬のほか、顎骨骨折の多くは手術が必要になります。

口の中や顎の下、耳の下などを切り、正しい咬み合わせが得られるように元の位置に戻した後、ワイヤーやゴムなどを使用し上顎と下顎を固定するなどの手術を行い、固定している間は口の開け閉めができないため経管栄養や栄養価の高い流動食を経口で摂取します。

歯に及ぶ影響

強い衝撃が顎に与えられることで、歯が欠ける、脱落(抜け落ちる)、グラつき、位置がズレるなどの症状が起こることも。

歯が脱落した場合、大人の場合は永久歯のため新しい歯が生えてきません。しかし、歯の保存状態、受診までの時間など、条件が揃った時のみ脱落した歯を再植することが可能です。歯の保存方法としては、乾燥を防ぐために生理食塩水に漬けるか、口の中に入れておくのが良いでしょう。

治療方法は症状によって異なります。速やかに歯科医院にて正しい治療を受けてください。

歯のグラつきや、僅かに歯が欠けた場合、「しばらく様子を見よう」と考え歯科医院に行かない方が多いのですが、放置したために完治が難しくなったり、他の症状を誘発する可能性もあります。

歯は、咀嚼や発音など、生活の質に深くかかわる部位です。口周りに限らず、違和感や不調を感じた時は必ず病院に行きましょう。

口腔外科とは?

顎顔面に外傷を負った際の初診は、口腔外科が適しています。

口腔外科は口腔(口の中)、顎、顔面ならびにその隣接組織に現れる疾患を扱う診療科です。顎顔面の外傷はもちろん、癌、唾液腺疾患、口臭症、神経性疾患などの様々な疾患が含まれており、顔面全体の自然な機能や形態が回復するためのお手伝いをします。

いつ大きな怪我を負うかは誰にも分りません。怪我をしてからではなく、今のうちにお近くの口腔外科のある病院を探しておくといいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

顎に外傷を負うと日常に様々な弊害があり、今後の生活に大きな影響を与えます。

外傷を負わないことが1番ですが、もし、外傷を負ってしまった際は焦らず速やかに口腔外科のある病院に行きましょう。何事も、早期治療を心掛けてくださいね。

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