歯と健康のラボラトリー

歯と顎の使い過ぎ?歯牙接触癖と舌癖の関係性について

皆さんはTCHという言葉を聞いたことがありますか?

TCHとは、歯牙接触癖(Tooth Contacting Habit)の略で上下の歯を持続的に接触させてしまう癖のことを指します。これは、どうして起こるのでしょうか。また、舌の癖とはどんな関係があるのでしょうか。ここでは、歯牙接触癖や舌癖と歯牙接触癖の関係性について詳しくご紹介します。

舌癖があるという方は、ぜひ参考にしてくださいね。

歯牙接触癖があるとどうなるのか

何もしていないときには上下の歯は接触していません。上下の歯は離れていて、食事や会話をするときに接触します。しかし、歯牙接触癖によって上下の歯の接触時間が長くなると、筋肉が疲れて緊張し、顎関節への負担が大きくなってしまいます。

また、筋肉の疲れでこわばってしまった顎は、寝ている間にも無意識に食いしばりが起きることや、歯ぎしりが起きてしまう場合があります。さらに、起きている間も口が開きにくくなることや、歯の違和感、顎の疲労感などの症状が出ることがあります。

歯牙接触癖が起こる場面

歯牙接触癖は基本的に、緊張しているような場面で起こるので注意が必要です。以下のような場面で歯牙接触癖は起こりやすいです。

  1. 掃除や料理などの家事
  2. テレビを見ているときやテレビゲームをしているとき
  3. 精神的なストレスを感じているとき
  4. 精密作業
  5. 習慣化した作業で集中しているとき

歯牙接触癖があるかチェックしよう

自分が、歯牙接触癖があるかどうか気になりますよね。歯牙接触癖は、以下の方法でチェックすることができます。

気になる方は、今すぐ確認してみましょう。

  1. 舌の先端や周縁部に歯の圧痕ができている
  2.  歯の根元の骨(歯槽骨)が膨隆し出ている
  3. 頬粘膜に咬み跡の線(咬合線)がある
  4. 不定期にこめかみあたりの痛みや顎の筋肉のだるさや痛みがある

TCHは、次のような悪影響を与えてしまうので注意しましょう。

  1. 舌痛症
  2. 義歯性潰瘍
  3. 舌や頬粘膜の誤咬
  4. 慢性的な口内炎
  5. 咬合の違和感
  6. 歯周病の悪化
  7. 歯の慢性咬合痛
  8. 知覚過敏
  9.  咀嚼筋痛、頭痛
  10.  肩こりや首の痛み

歯牙接触癖を悪化させないためにできること

TCHが長く続くと、口や顎への負担が大きくなり、顎関節症が発症する場合があります。

TCHを悪化させないためには、無意識で行っている接触癖を意識して歯を離す努力が必要です。その後に意識しなくても歯の接触が行われなくなるまでトレーニングすることになります。

もし、顎が痛い、口が開かない、頭痛がある、などの顎関節症の疑いがある場合にはなるべく早いうちに歯科医院や口腔外科に相談し、TCHを早期発見することが大切です。症状を重くしないためにも、定期的にご自身の口腔の状態を確認するようにしましょう。

日常生活の中で、次のような症状がある方は、TCHを疑う必要があるでしょう。

歯牙接触癖の危険信号

  1. 疲れやだるさを強く感じている
  2. 咬み合わせにストレスを感じる
  3. 夕方になると、顎口腔に痛みや違和感がある
  4.  肩こりがある
  5. 頭痛がある
  6. 歯の接触時に筋肉の疲労感を感じている

歯牙接触癖を改善するには?

では、TCHを改善するにはどうすればよいのでしょうか。TCHをする場面はヒトによって異なりますが、まずは、自分がどんな場面で歯を接触させているのかをしっかり理解することが大切です。そして、そのような場面では、リラックスすることを心がけたり、意識して歯を離すなど歯を接触させないような改善が求められるのです。

TCHを改善するポイントは、以下の通りです。

  1. 緊張した時や集中時にリラックスするように心がける
  2. 歯を接触させないように意識する
  3. うつむいた姿勢で長時間過ごさない
  4. うつ伏せで本を読まない
  5. 頬杖をつくのを止める

歯牙接触癖と舌の位置

自分でTCHを改善するように意識することも大切ですが、このような自己認識とともに舌の位置にも注目すると良いでしょう。

舌の正しいポジションは、口腔内の機能的なバランスをキープするポイントとなります。舌の筋肉が弱かったり、舌の位置が適正ではなくなると、安静空隙の消失がおこり、歯の接触の可能性が高まってしまうのです。

上顎の前歯の後ろにある歯肉のふくらみ(切歯乳頭)に舌の先をとがらせてつけてください。その時舌で前歯を押さないように気をつけてください。その状態を保ったまま、唇を軽く閉じてください。この時奥歯は少し離れていますよね。そこが正しい舌の位置です。

口の中で自分が意識していないのに力が加わってしまうと、疲労によって、口唇のたるみを引き起こし、口呼吸を招く可能性が高くなります。

これは、睡眠時の食いしばり習慣なども関係しています。

体にいろいろな悪影響が出ると、たかがTCHでは済まされないので、体のリスクを防ぐためにも早めに対処することが重要なのです。

TCH:歯牙接触癖と顎関節症は早めに専門のクリニックで治療しよう

TCHは、自分で症状を自覚してから生活改善を行い、それによってTCHの症状が良くなるケースが多いです。

しかし、顎や口腔内にすでに違和感があったり、痛みを強く感じるようなケースでは、早めに専門のクリニックを受診することが大切です。また、顎関節に雑音がしたり、かゆみや痛みが続くようならば、TCHの症状が長期化している可能性が高いです。

気を付けたいのは、TCHや顎関節症の知識が少ないクリニックへの通院です。こういったクリニックで誤った処置をされると、余計に症状が悪化してしまう場合もあるので注意しましょう。

また、20代から30代の女性は顎関節症が多いと言われています。その原因の一つにストレスが挙げられます。

若い女性は、社会に出て活躍されている方が少なくありません。そして、日々の仕事にまつわる強いストレスを感じている方も多いのです。女性は男性に比べてストレスを感じやすいという特徴があるので、自分が気付かないうちにTCHを行っていたり、また歯を食いしばっていることも多いのです。

さらに、女性は男性に比べて顎が小さいうえ、顎の筋肉量が男性に比べて少ないという特徴もあるのです。このような特徴があるので、女性に顎関節症の症状が多いと言われているのです。

まとめ

いかがでしたか?

TCHや、TCHと舌の癖の関係性などはしっかり理解できましたか?

TCHは放置してしまう長期化してしまう可能性が高いため、早めに気付いて生活習慣などをしっかり改善することが重要です。症状が重い場合は、早めにクリニックを受診しましょう。

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