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百害あって一利なし!タバコが口腔に及ぼす悪影響について

気分転換のため、ストレス解消のため、リラックスするため…このようにタバコを吸う理由はさまざまです。

厚生労働省が平成27年に実施した調査によると、習慣的に喫煙している方の割合は、18.2%であり、男女別にみると、男性 30.1%、女性7.9%となっています。この 10 年間でみると、全体的に喫煙者の割合は減少している結果となっていますが、街中に設置された喫煙所が混雑している様子もよく見かけます。

「タバコは百害あって一利なし」とよく言いますが、タバコの煙には約4000種類の化学物質が含まれており、その中でもなんと200種類以上もの有害物質と、50種類以上もの発がん性物質が含まれています。このことから喫煙が肺がんや食道がん、胃がんなどの原因となるという話を耳にしますが、タバコの煙に含まれる有害物質や発がん物質は口腔内にも悪影響を及ぼすのです。

そこで今回はタバコが口腔に及ぼす悪影響について詳しくお伝えしたいと思います。

口腔内への悪影響

タバコの悪影響というと肺がんなど身体への影響を思い浮かべるかも知れませんが、最初に煙を吸い込む口腔への影響を忘れてはいけません。

タバコの煙に含まれる有害物質は、口腔内を通過する際に歯肉や粘膜、粘膜の下に分布している血管にも影響を及ぼします。

歯周病のリスクが高まる

タバコを吸っている本数にもよりますが、喫煙者が歯周病にかかる割合は、非喫煙者と比較すると2~8倍にもなるというデータがあります。

タバコの煙に含まれているニコチンや一酸化炭素の血管を収縮する作用によって血流が悪くなり、酸素や栄養が歯肉に行き届きにくくなってしまうだけでなく、細菌などから身体を守る役割のある白血球などの免疫細胞の働きを悪くしてしまい、病原菌への対抗力が衰え、歯周病菌が感染しやすい状態を引き起こします。

また、歯周病になっても出血や腫れが起こりにくく、歯周病の発見が遅れてしまい気が付かないうちに悪化してしまうケースもあります。

喫煙者の場合、歯周病の治療をしても治りが悪いだけでなく、再発しやすいとも言われていますので、「タバコのせいで歯周病が悪化し、歯を失ってしまう」という最悪のケースも考えられます。

虫歯のリスクが高まる

タバコの煙に含まれるタールが歯に付着すると、プラーク(歯垢)が歯に定着しやすい状態になります。

さらに先ほどお伝えしたように、ニコチンによる血管収縮作用によって唾液が分泌されにくくなり、口腔内の自浄作用が弱まることから虫歯になりやすい状態になってしまうのです。

色素沈着を引き起こす

歯や歯ぐきにタールが付着することで歯全体が黄ばんでしまいます。タールは粘着性が高いので簡単には落ちないため、セルフケアを念入りに行っても色素沈着してしまう可能性が高いでしょう。

また、ニコチンの影響で毛細血管が収縮することで歯肉が暗い紫色のようになり、黒ずんで見えてしまうこともあります。

口腔がんのリスクが高まる

タバコを吸うことで発生する有害物質は、肺に到達した後すぐに血液を通して全身の臓器へと運ばれていき、がんを発症する原因を作りだし、肺がんなどを引き起こします。口の中にできる癌である、口腔がんが発生する最大の危険因子となるのも喫煙です。

喫煙習慣のある方は、喫煙習慣の無い方に比べると口腔がんの発症率が約7倍も高くなると言われており、死亡率も約4倍も高くなるというデータもあるほどです。

口臭

タバコの煙に含まれているタールは、「ヤニ」とも呼ばれており、独特の臭いがあります。タールは歯や歯垢、歯石や歯肉、舌などの口腔内全体に付着し、喫煙後にも臭いが残り、それが口臭の原因となります。

このほかにもタバコへの依存を引き起こすと言われているニコチンは、中枢神経に作用し、血管を収縮させることで唾液の分泌を減少させてしまいます。一酸化炭素は酸素を運ぶ働きのあるヘモグロビンと強く結びつき、体内の酸素濃度を減少させ、口腔内の酸素濃度も低下します。

このように口腔内の乾燥を引き起こしやすくなり、結果として口臭を引き起こしてしまいます。

本当に恐ろしい受動喫煙

ご自身の意思もなくタバコの煙を吸い込んでしまうことを受動喫煙と言います。

タバコの煙は、タバコを吸っている本人が直接吸い込む主流煙と、火をつけたタバコの先端から立ち上る副流煙の2種類があります。副流煙は、タバコを吸っている本人が吸い込む主流煙に比べてニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素は4.7倍も含まれています。

タバコの煙の中にはたばこそのものに含まれる物質と、それが不完全燃焼することによって発生する化合物が5000種類以上も含まれています。その中には発がん物質が約70種類も含まれていますので、受動喫煙は妊婦さんや赤ちゃんにとって悪影響を及ぼすだけでなく、がん・脳卒中・心筋梗塞など命に関わる重篤な病気のリスクを高めてしまいます。

WHOによると、毎年なんと約600万人がタバコによって命を奪われていることがわかっており、そのうちの60万人は受動喫煙による被害と言われています。

また、ご家族の中でタバコを吸う方がいらっしゃるご家庭のお子さんは、歯茎が黒くなっているケースもあります。また、タバコを吸う方がいないご家庭のお子さんに比べると、3歳までに虫歯になるリスクが最大約2倍になるという研究データもあります。

近年では受動喫煙による健康被害が問題視されており、タバコを吸う方一人ひとりが、ご自身の口腔・全身の健康に気を遣うだけでなく、ご自身のタバコの煙によって周囲の方の健康を脅かす可能性があるということをしっかりと認識しておく必要があります。

まとめ

今回はタバコが口腔に及ぼす影響について詳しくご紹介しました。

口腔内だけでなく全身に悪影響を及ぼすリスクのあるタバコ。タバコの影響を受けるのは、タバコを吸っているご本人だけではありません。

タバコの煙に含まれるタールが歯に付着することでプラークが付着しやすくなり、唾液が減少して口腔内が乾燥しやすい状態となり、結果として口腔内のさまざまなトラブルを引き起こしやすい状態になってしまいます。喫煙習慣がある方は歯科医院でのプロフェッショナルケアを定期的に受診することをおすすめします。

喫煙されている方も、そうでない方も、この機会に喫煙について考えてみてはいかがでしょうか。

 

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