歯と健康のラボラトリー

セルフケアで歯を守る!ブラッシングのコツと注意点

小さなころから「食事をした後は歯磨きをしましょう」と習ってきた方が多いのではないでしょうか。歯磨きをすることはもはや常識となっており、虫歯予防や歯周病予防のために毎食後磨いているという方も多いでしょう。

ご自宅で簡単にできる歯のセルフケアと言えば歯ブラシを使ったブラッシングです。ほとんどの方が1日に2回以上歯磨きをしているというデータがありますが、それでも磨き残しが多いと言われています。

そこで今回はブラッシングを行う際のコツや注意点についてお伝えしたいと思います。

歯を守るセルフケアの重要性

歯のトラブルで多い虫歯や歯周病の主な原因はプラーク(歯垢)です。もちろんその他にも唾液の質や量、生活習慣など多くのことが原因として考えられますが、プラークに存在する細菌が主な原因となっており、正しいブラッシングでプラークを除去することが健康な歯を守るために重要なのです。

プラーク1㎎にはなんと1億個もの細菌が含まれており、その細菌の種類は300もあると言われています。口の中の細菌は虫歯や歯周病など歯を失う原因を作るだけでなく、口臭の原因にもなるなど悪影響をもたらします。

また、近年では口腔内の細菌と全身疾患との関係性も明確になってきており、歯周病菌が心臓病や糖尿病などのリスクを高めることが分かっています。

毎日のブラッシングの質を高めることが健康な歯を維持し、全身の健康を守ることにも繋がるのです。

ブラッシングのコツ

ブラッシングのコツを抑え、プラークを効率良く除去しましょう。

歯磨きは朝と夜必ず行う

「食後には歯磨きをしなさい」と習ってきた方も多いかも知れませんが、歯磨きはいつ行うかということよりも、1回のブラッシングの質をいかに高めるかということが重要と言えます。

歯磨きをする目的は「プラークを取り除くこと」です。毎食後磨いていてもプラークを除去することができていなければブラッシングをする意味がありませんので、特に夜寝る前には丁寧にブラッシングしましょう。

睡眠時には自律神経の働きによって殺菌作用のある唾液の分泌量が減少します。唾液の分泌量が減少すると細菌が増殖しますので、寝る前にはしっかりと細菌を減らす必要があります。

朝には寝ている間に口腔内に増えたプラークによって口の中がネチャネチャとしていることもあるでしょう。朝食を食べる前に歯の表面を磨くことでさっぱりとするので、朝食前に歯磨きを軽くするようにしましょう。

朝に繊維の多い野菜や主食となるご飯やパンをしっかりと咀嚼しながら食べることで、歯の表面が擦られて大部分のプラークが取り除かれるため、朝の歯磨きは夜ほど念入りに行う必要はありません。

プラークが付着しやすいところを念入りにブラッシングする

「歯と歯茎の境目」、「歯と歯の間」には特にプラークが付着しやすくなっています。何本もまとめてブラッシングをしても、歯と歯茎の境目や歯と歯の間には歯ブラシの毛先が届きませんので、鏡でしっかりと確認しながら1本1本の歯を磨くように意識しましょう。

必ず「鏡で見ながら」ブラッシング

ブラッシングのコツは磨く歯を良く見ながら行うことです。

歯磨き粉を付けると歯を磨いている部分が見えませんし、何かほかのことをしながら歯磨きをしているようではしっかりとプラークを除去することができないのも当然です。

口を閉じて歯磨きをする癖がある方も多いので、まずは磨く歯をしっかりと見てブラッシングをすることを意識してみましょう。

歯ブラシを当てる角度を意識する

手鏡でご自身の歯を良く見ながらプラークが溜まりやすい「歯と歯茎の境目」、「歯と歯の間」に歯ブラシの毛先の面を垂直に当ててブラッシングします。

磨こうとしている部分に歯ブラシの毛先を垂直に当てることで効率良くプラークを除去することができます。手鏡でしっかりと見ながらブラッシングすればどなたにでもできる難しいことではありませんので、是非次の歯磨きから実践してみてください。

歯ブラシは細かく動かす

歯ブラシを大きく動かしてはいませんか?

歯ブラシを5~1mmほどの幅で細かく振動させ、プラークが付着している部位から毛先を離さないようにするのがコツです。

しっかりと毛先を当てることができていて、正しく振動させることができていれば5秒ほど動かすだけで綺麗に除去できます。

時間はかかってしまいますが、1日に何回も歯磨きをするよりも、夜寝る前にご紹介したコツをマスターして頂き、丁寧にブラッシングする方が歯周病や虫歯予防に効果的だと言われています。

ブラッシングの注意点

ブラッシングをする際には以下の点に注意しましょう。

力を入れ過ぎないこと

プラークをしっかりと除去したいがために力を入れて磨いてしまいますが、歯ブラシを強く押し当ててしまうと歯ブラシの毛先が寝てしまい、磨き残しが増えてしまいます。

また、力を加えることで摩擦が起き、歯の表面を傷つけてしまうことや歯ぐきにダメージを与え炎症を起こしてしまう原因にもなります。

ブラシの毛先が寝てしまっていないかしっかりと確認しながら優しく小刻みにブラッシングするように注意しましょう。

歯磨き粉を付けすぎないこと

多くの歯磨き粉には清涼剤が添加されており、清涼感が広がるので沢山付けて磨いてしまうことがあります。また、泡立ちが良くなる発泡剤が添加されていることもあり、清涼感がある上に泡立ちが良いことによってしっかりと磨けていると勘違いしてしまう原因になります。

歯磨き粉が泡立つことによってプラークが溜まりやすい部位を目視することができなくなってしまうため、どうしても歯磨き粉を付けたいという方は少量にしましょう。あくまでも理想は歯磨き粉を付けないでブラッシングすることです。

まとめ

ブラッシングは小さな頃から行っている習慣だからこそ、意識して改善しなければ正しい方法で行うことができません。

歯の並び方には個人差があり、磨きにくい部分や磨き残しが多い部分は人それぞれですが、ご自身の口の中の状態に合わせて適切なブラッシングを行うことで歯の健康を守ることができます。

ただ磨くだけではプラークを除去することができませんので、定期検診の際や歯科治療を受ける際に歯科衛生士や歯科医師にブラッシングのコツを聞き、ご自身の歯並びではどのように磨くのが効率的なのか、磨きにくい部分はどのようにブラッシングをすれば良いのか確認しましょう。

毎日のブラッシングのコツを掴むだけでなく、定期的に歯科検診を受け、クリーニングを行うことで虫歯や歯周病の予防効果が高まり、一生付き合っていく歯の健康と全身の健康を守ることになります。

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