歯と健康のラボラトリー

健康管理に欠かせない歯科定期検診の重要性

「3ヶ月~半年に1度は歯科検診を受けましょう」と言われたことがある方も多いでしょう。

歯科医師や歯科衛生士に言われた時は定期検診を受けようと思っていても、実際にはご自身でのセルフケアに満足していたり、日常生活に何か支障がでるようなトラブルを感じない限りは歯科医院に行かないという方が多いのが現状です。

では、痛みが無かったとしても歯科検診に行くことが推奨されているのは一体なぜでしょうか。

ここでは歯科定期検診の重要性についてお話したいと思います。毎日歯磨きなどの口腔ケアさえしていれば虫歯や歯周病を防げると思っている方も、痛みが出てから歯科医院に行くようにしている方も必見です。

なぜ歯科検診に行く必要があるのか、この機会に再確認しましょう。

歯科定期検診の目的

定期検診の目的は、口腔内の状態を確認することです。虫歯や歯周病などのトラブルは起きていないか、詰め物などの不具合が生じていないか、粘膜などに異常がないかを確認し歯のクリーニングを行います。

虫歯や歯周病の主な歯科疾患の多くが慢性疾患であるため、初期の場合には、患者さんの自覚症状がないことがほとんどです。“痛い”“腫れた”などの症状がでた時には、神経の近くにまで進行してしまったり、病状が悪化しています。定期検診では歯科医師が口腔内を隅々まで確認するため、万が一のトラブルも早期発見に繋がります。

きちんと口腔内のセルフケアをしている自信があっても、完璧に汚れを取り除くことは不可能に近いため、トラブルの早期発見・予防のために定期検診が必要なのです。

定期検診の重要性

歯科治療を受けることによって虫歯や歯周病が改善しても、定期検診を行わないとその根本的な原因となる菌は減少しません。実際に定期検診を受けた人の方が虫歯や歯周病の再発率が低いというデータも存在します。

口腔内の健康状態を維持するという意識を持つためにも、定期的に検診を受けることが大切なのです。

特に日本人は何か日常生活に支障が出ない限りは歯科医院を受診しないという方が多いと言われています。痛みがあったとしても我慢して、治療を先延ばしにしてしまう方も少なくありません。

一方で歯科先進国であるスウェーデンでは歯科を受診する主な目的がメインテナンスであり、歯が痛くなくても歯科医院に行くという習慣が根付いています。そして同じ80歳でもスウェーデンの人々の残存歯数が20であるのに対し、日本人の残存歯数は9.8本という統計が出ています。

スウェーデンの人々はメインテナンスを欠かすことが無いからこそ、80歳になっても自分自身の歯で食事を楽しむことができているということが分かります。

現在では日本人の多くが80歳なら入れ歯になってしまっても仕方がないと思っているかも知れませんが、これからは80歳には入れ歯になってもやむを得ないという考えは捨て、メインテナンスを受けることで80歳でも自分自身の歯で食事を楽しむことができるように意識を変えませんか?

歯の健康を守ることは全身の健康を守ること

歯を失う原因となる虫歯や歯周病を定期検診で予防することはもちろんですが、それは歯を守ることだけでなく全身の健康を守ることに繋がっています。

近年では歯の病気が全身の病気を引き起こす可能性があることが明らかになっており、虫歯や歯周病は”単なるの歯の病気”では済まない可能性があることが分かっています。

何らかの原因で歯周病菌が血管に侵入すると、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こしやすくなると言われています。また、万が一歯を失ってしまえば咀嚼機能が低下し、食事や発音に支障が出るだけでなく脳への刺激も低下するため、認知症のリスクも高まると言われています。また、運動機能や社会性、精神面も低下し、全身的な虚弱(フレイル)にもつながります。

歯が健康な状態であるからこそ全身のさまざまな病気のリスクを回避することができるのです。

美味しく楽しく食事をし、円滑に会話をするためにはご自身の歯が健康な状態であることが求められます。歯を失い全身の健康を損ねることが無いように、定期的に歯科検診を受診することが大切なのです。

定期検診は”お得”!?

費用を削るために定期検診に行かないという方もいらっしゃいますが、虫歯や歯周病などが悪化して治療が必要になってから通院する方が費用が高くなる可能性があります。

早期に発見するほうが痛みもなく治療費が安く済みますが、症状が進行すればするほど高度な治療が必要となり治療費も時間もかかり痛みを感じる可能性も高くなります。歯を失ってしまえば治療費も跳ね上がり、全身の健康への悪影響も無視できません。

事前に定期検診を受けておけば万が一のトラブルも早期に発見でき、最低限の治療で済む上に歯や全身の健康を守ることができます。

費用を抑えるために定期検診を受けないでいるという方もどちらが”お得”かを考えましょう。

定期検診の頻度

厚生労働省が推奨している歯科定期検診の頻度は3~4ヶ月に1度です。特に乳児や未成年の永久歯の場合には歯そのものが軟らかく、未完成であるため虫歯になる可能性が高いと言われていますので4ヶ月に1回が理想です。

また、歯を失い補綴治療を受けたことがある方の場合には、全て天然歯の方と比較すると歯石などが付着しやすい状態になっています。検診を怠ってしまうとさらなる歯を失う可能性があるため、歯科医師の指示通りの頻度でメインテナンスを受けましょう。

歯肉に問題がない場合や歯周病の治療を受けていた場合など、患者さんの口腔内の状態によっても理想となる頻度は異なるため、医師に指示された期間で検診を受けると安心です。

定期検診は痛くもありませんから、気軽に足を運びましょう。

まとめ

いかがでしたか?歯科定期検診がなぜ重要なのかをご理解頂けましたでしょうか。定期検診が推奨されているのは歯科医院のためではなく、大事な患者さんの大切な歯をできるだけ長く残したいという願いが込められているからなのです。

もしまだ歯が痛くなってから歯科医院に行けばいいとお考えの方は要注意です。歯が痛くなってから治療を受けるというサイクルができてしまっていると、大切な歯に負担が掛かってしまいます。歯を失う原因として多いのが虫歯や歯周病ですので、歯科定期検診を定期的に受けて口の中にトラブルが発生しないように予防し、万が一のトラブルも早期発見することが歯を守ることに繋がります。

お口の中の健康を維持し、歯を守り全身の健康を守るためには毎日のきちんとした歯磨きだけでなく、規則正しい生活習慣に加え歯科定期検診を受けることが非常に重要です。

久しく歯科医院を受診していないという方も、この機会にぜひメインテナンスを受けましょう。

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